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第89話 説明します

 ジェシカの案内でリリアンさんの下に行く。

「いやぁ、イザ姉も面白いけどジェシカのお姉ちゃんも面白いね~」

 何故か未だにミリア姉ちゃんが傍に居た。

 さっきの騒動の時に静かだったので何処かに行ったのだと思っていた。

「うう~、姉様ったら」

 未だに顔を真っ赤にしているジェシカ。

 その顔を見ていると二コラさんの気持ちが解からなくはないと思うな。

 そう思いながら歩いていると、向こうからソアヴィゴ兄上がやって来た。

「良く帰って来たな。リウイ」

「ただいま戻りました。兄上」

 兄上は肩を叩いて労ってくれた。

「イザドラを大人しくさせるだけではなく連れて来るとはな。相変わらずお前はあいつの扱いが上手いな」

「いや、大した事はしてないよ」

「そう謙遜するな。正直な話、お前だから出来たんだぞ。もっと胸を張っても良いだろう」

「お気遣いありがとうございます」

 しかし、そんな面倒な人を良くを宰相にしているな。

 何かあるのだろうか? 今度訊いてみるか。

「あの、ミリアさん」

「なに?」

「リウイさんとソアヴィゴさんって仲が良いんですね」

「う~ん。どちらかと言うと、話が合うから仲が良いと言えるかな」

「話が合う?」

「うちの家族ってどちらかと言うと、武闘派が多いからどうも力で解決する人が多いんだよね。だから、あまり深く考えないで行動する人が多いんだ。だから、ソア兄の考えを理解する人がすっごい少ないんだ。ちなみにあたしも深く考えないで行動する方だよ」

「そ、そうなんですか」

「まぁ、リウはあたし達兄弟の緩衝材みたいなもんだかね」

「緩衝材ですか?」

「そっ。あたしの兄の一人で誰に対しても不機嫌なナーガラジャっていう人が居るんだけど、リウイには愛想よくしているんだよ」

「へぇ、そうなんですか」

 ミリア姉ちゃんとジェシカが何か話しているが小声など良く聞こえないな。

「ところで、お前達は何処に行くのだ?」

「リリアンさんの下に玉座の件で話をしに」

「丁度いい。わたしもどんな話なのか聞きたい所だったから、一緒に聞いても良いか」

「僕は構わないよ」

「では、行くか」

 ソアヴィゴ兄上も加わって僕達はリリアンさんの下に向かった。


 ジェシカの案内で僕達はリリアンさんがいるテントに着いた。

 テントの中に入ると、前に入ったテントに比べると広く部屋が幾つもあった。

 ジェシカから聞いた話だと、あの時は急だったので用意できなかったが本来はテントは一人一つ使うそうだ。

「お帰りなさい。随分と遠くに行っていたそうね」

「ええ、少々扱いが困る人が居て説得に行っていました」

「そうなの。で、帰って来てそうそうにわたしの下に来たのは何の用かしら?」

「・・・・・・単刀直入に言います。リリアンさん王位に就いてくれませんか」

「「っ⁉」」

 僕の言葉を聞いて驚愕するリリアンとジェシカ。

 リリアンさんの顔を見ながら言葉を続ける。

「このまま戦争を長引かせては国土が疲弊するでしょう。そうなったら、近隣諸国から良いカモになります。そうなる前にこの戦を終わらせるべきです」

「それがどうしてわたしが王位に就く事と関係あるのかしら?」

「リリアンさんが王位に就く事で未だ抗戦の意思がある諸侯を味方に加えれますし、城塞に籠っているスティードン一世に付いている人達も降伏すると思います」

「どうして降伏するの? 向こうからしたらわたしも敵よ」

「人望も無く失策続きの無能の王と正統性があり此度の侵攻軍の主要人物に顔が利き優秀な王。どちらに付くかは自明でしょう」

「・・・・・・」

 リリアンさんは僕の言葉を聞いて考え始めた。

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