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閑話 針の筵だったけど

 今回はジェシカ視点です

 リウイさんが急用が出来たという事で、南部の方へと向かった言う話を聞いた翌日。

「「「「・・・・・・・」」」」

 朝食を食べ終えてテントで一休みしていると、リウイさんのお姉さん達ととお母さんが何も言わないでわたしを見ていた。

 一人は幼女と思える位に小さい人でこの人が長女のロゼティータさんという人で、その人は目を細めてわたしを値踏みしているかのような目で見ていた。

 もう一人の三女でフェルという人はニコニコしながらわたしを見ている。

 ニコニコしているのだけど、どうも値踏みされている気がする。

 この二人は何となく、わたしがどういう人なのか観察している様な感じがした。

 だから、変な事を言わなかったら大丈夫だと思うけど。

「「・・・・・・」」

 問題は残りの二人だった。

 四女のヘルミーネさんとリウイさんのお母さんのハバキさん。

 この二人はわたしを睨んでいるかのように見ている。

 わたし、何か気に障る様な事をしたのかな?

 昨日初めて会ったので、何かしたのか分からない。

 それに、わたしはあまり話す方では無いのでどう話したらいいのか分からない。

 二コラ姉さんやリリアン母様だったらすんなりと話を出来るだろうけど、運悪く二人は居なかった。

 今後の事を話す為にリウイさんの一番上のお兄様と話があるとの事で二コラ姉さんと共に出掛けてしまった。

 何か話さないと。と思うのだが、どう話したら良いのか分からないで混乱していた。

 魔人族の王族の人達と、王族の血を引いてはいるけど庶民のわたし。

 どんな話をしたら良いののだろう。

「・・・・・・お主、ジェシカと言う名前じゃったな」

「は、はいっ」

「リインとは親しいそうじゃな」

「え、ええそうです。親しくさせていただいております」

 ロゼティータさんが声を掛けて来て、身体をビクッ身体を震わせ答えた。

 リイン? リウイさんの話じゃなくて?

「姉さん。その呼び方だと誰なのか分からないわ」

「むっ。言われてみればそうじゃな」

「ロゼよ。いい加減、その呼び方は止めたらどうだ?」

「良いであろう。ハバキ殿。あ奴も嫌がってはいないようじゃから」

「確かに」

 ええっと、口を挟んで良いのかな?

 そう思っていると、ハバキさんがわたしを見る。

「済まんな。ロゼはリウイの事を昔から愛称でリインと呼んでいるんだ」

「はぁ。その、何でリインと呼ぶのですか?」

 気になって訊ねると、ロゼティ―タさんの目が光った気がする。

「それはじゃな。昔、リウイは上手く言葉を話せない事があってな。その時、あ奴は自分の事をリイと呼んでおったのじゃ。其処から妾はリインと呼ぶ様になったのじゃ」

「はぁ、そうなのですか」

 あのリウイさんにも昔は自分の名前を呼べない時あったんだ。

 可愛いと思った。

「あの頃のウ~ちゃんは可愛かったわね~」

「うむ。そうだな」

「目を離したら何処かに行くという無鉄砲な所があったのものじゃ」

「まだ、歩きはじめたばかりの時にアードラ兄さんと一緒に魔物の狩りに行った時は胆を冷やした」

「わたしはそれを聞いた時はわたしの血が流れているんだなと思ったがな」

 ハバキさんは過激な所があるんだと思った。

 皆さんはそれを聞いて、何とも言えない顔をした。

「え、えっと、そのリウイさんはそちらの国に居た時はどんな事をしたんですか?」

「リウイがした事か? 色々としたな」 

「色々としたわね~」

「色々としたのじゃ」

 お姉さん達が懐かしい物を見る目をしだした。

 それからわたしは皆さんと楽しく話が出来た。お蔭でリウイさんの色々な話を聞く事が出来た。

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