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第81話 って、どうして此処に居るの?

 姉さん達と一緒にテントを出た僕達はリリアンさん達が居るテントへと向かった。

 一応三人でも生活するには問題ないくらいに広いとの事だ。

 そんなに大きなテントがあれば目立つと思うのだけど、何故か見つからない。

「リウ。こっちだよ~」

 先頭を歩くミリア姉ちゃんが迷う事なく歩いている。

 前もって何処に有るのか知っているかのような足取りだ。

 何時の間にと思いつつも、ミリア姉ちゃんだからなと思ってしまうのはミリア姉ちゃんの人柄かな?

 そんな事を思いながらミリア姉ちゃんの後に付いて行くと、僕が使っていたテントと同じ位の大きさの物があった。

「ミリア姉ちゃん。此処なの?」

「うん。此処」

 じゃじゃじゃんと何処からか擬音が聞こえてきそうな位に手で示すミリア姉ちゃん。

 そんなに大きくないようだけど、窮屈な思いはしてないだろうか?

「じゃあ、ウーちゃん。行きなさい」

「僕?」

「他に誰が居るの? 誰なのか知らない人よりも知っている人が声を掛けた方が良いでしょう」

 確かに。普段はぼけーっとしているフェル姉も偶にぐうの音も出ない事を言うんだよな。

 そう思いながら、僕はテントの入り口に近付く。

「すいません。リリアンさんは居ますか?」

 僕が声を掛けるとテントの入り口から二コラさんが顔を出した。

「ああ、リウイ君。・・・・・・・っ⁉」

 何か僕の後ろを見て、顔を顰めだした。

 どうしたのだろうと思ったが、後ろに見慣れない人達が居る事に驚いているのだろう。

「あの、今いいですか?」

「別に暇だけど。何かあるのかしら?」

「姉達がリリアンさん達を紹介しろ言うので」

「お姉さん?」

「はい。後ろに居るのが姉と母です」

「・・・・・・ああ、そうなの。ちょっと待ってね」

 二コラさんが顔を引っ込めると、直ぐにテントから出て来た。

「どうぞ。入って」

「失礼します」

 そう言ってテントの中に入った。

 入り口は狭かったけど入って見るとかなり広い間取りの部屋であった。

「いらっしゃい」

「こ、ここんにちわです」

 リリアンさんは優雅に椅子に座って茶を飲んでいたが、ジェシカはカチコチになっていた。

 何でだろう?

「お邪魔しますっ」

「失礼するわ」

「ふむ」

「・・・・・・入るぞ」

 姉さん達がテントの中に入って来た。

「くつろいでいる所にお邪魔してすいません」

「い~え、気にしなくて良いわ。それで、そちらの方々が?」

「はい。姉達と母です」

「あら、お母様も居るのね」

 リリアンさんは立ち上がる。

「初めまして。わたしは二コラ達の母のリリアンと言います。今後ともよろしく」

 笑顔を浮かべつつ挨拶するリリアンさん。

「で、隣に居るのが三女のジェシカで、そちらに居るのが次女の二コラ。後長女のシャロンが居るのだけど、この国には居ないわ」

「初めまして。二コラです」

「じ、じぇしかです。よろしくおねがいします」

 リリアンさんに紹介されて二人は挨拶した。

「これはご丁寧にどうもなのじゃ。妾は長女のロゼティータと言う。リイン共々よろしく頼む」

「わたしは三女のフェルよ。よろしく」

「四女。ヘルミーネ」

「五女のミリアリアで~す。よろしくっ」

 姉さん達が自己紹介を終えると、母さんが前に出た。

「ハバキだ。そこに居るリウイの母だ。よろしく頼む」

「よ、よろしくお願いします」

 ジェシカが頭を下げる。

「・・・・・・・」

 そんなジェシカをジッと見る母さん。

 この顔は。恐らく、自分のコレクションを着させたら似合うだろうなという顔だ。


 それから少し話したが、兄さん達が居るのでついでとばかりに紹介しに行こうという話になったので、僕達は先程いたテントに向かう。

「あの、次女の方が見えないのですが。どうかされたのですか?」

 僕達は言葉を詰まらせた。

 今、この国の南部を攻め込んでいるのは話に出た次女ですっとは流石に言えなかった。

 幾らこの国を出たとは言え、故郷である事は変わりない。故郷を攻めていると聞いて、平常心でいられる筈がない。

 どうしようと姉さん達と顔を突き合わせていると。

「イザドラなら。この国の南部で暴れているぞ」

 母さん―――――――‼⁉

 どう言うべきか悩んでいる時に、そんな事も無げに。

「な、南部でですか?」

「其処って、確か龍が暴れているのでは?」

「・・・・・・ああ、そう言う事ね」

 母さんの話を聞いたリリアンさんは何か分かったかのような顔をした。

「もしかして、その龍を操っているのはそのイザドラさんと言う事なのね」

「ああ、成程」

「そうだよね。流石に二匹の龍が都合よく暴れる事は無いでしょうしね」

 三人は何か納得した様な顔をした。

 僕達は顔を見合わせる。

 今はそういう事で良いか?

 と目で話して決めた。

 そうして、僕達は兄さん達が居るテントに着いた。

 警備の人達に挨拶して、僕達はテントの中に入って行くと。

「むっ、来たか。リウイ」

「兄上⁉」

 テントの中に入ると魔国ので魔王をしているソアヴィゴ兄上が居た。

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