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第67話 凄い事になっているな

 その夜。

 

 リリアンさん達と夕食を食べ終えた僕は用意されている部屋に戻る所だった。

 先程の話を聞いた所為か誰か聞き耳を立てている人は居ないか気になりながら歩いていた。

 どうにも誰か聞いているか分からない所で歩くと言うのは慣れないな。

 しかし、密告か。

 密告は治安の面で言えば一定の効果はあるけど、褒賞を得る為に冤罪を作ったりもするんだよな。

 冤罪を作らない為の法の整備はされているのだろうか?

 しかし、密告というのは僕の前世の国でもあったからか異世界でもあるんだな。

 世界が違っても法を作るのは人なんだなとしみじみ思う。

 そう思いながら歩いていたからか、直ぐに自分の部屋に着いた。

 ようやく気が抜けるな。

 部屋にはメイドさんは居ない。呼んだら来るようにして欲しいとリリアンさん経由で頼んだら

スティードン一世は許可してくれた。

 別に僕を監視しなくても逃げる方法がなければ逃げないだろうと判断したのか、それとも僕の身分は僕が思っているよりも高い身分だから阿っているとか?

 ・・・・・それはないか。僕の他にも孫は居るのだから、僕に固執する理由は無い。

 まぁ、どっちにしてもこの王宮を抜け出る方法もこの国から出る方法が無い以上出来る事などない。

 とは言え、その内リリアンさん達を連れて国を出ないとまずい事になる。

 僕がこの国に居ると言う理由で、この国の国土を荒廃させるのは忍びない。

 姉さん達と椎名さんにリリムとユエが加わったらそうなりそうなんだよな。

 怖いのが過言でも大袈裟でも何でもないのが怖い。

「はぁ、何時になったら図書館に行けるのかな・・・・・・うん?」

 部屋に入り眠ろうとベッド見ると、何故か膨らんでいた。

 誰か居ると分かったが、誰が居るのか分からなかった。

 これでラサツキ家であれば叔母さん揶揄う為に潜り込んだとか、副都ではリリムか椎名さんが潜り込んだと思うが、此処はハノヴァンザ王国の王宮だ。

 どう考えてもないだろうと思う。

 攫われた時は何も持たないで状態で攫われたので、剣も何も無い。

 流石に刺客はないだろうけど、一応警戒して果物を切る為のナイフを持った。

 ナイフを片手に持ちながらベッドに近付く。

「うふ、うふふふふふ、ふふふふ・・・・・・♥」

 何かベッドから聞き覚えがある不気味な声が聞こえて来た。

 しかも、もぞもぞと動いている。怖いな。

 部屋の外に出て衛兵でも呼ぶか? でも、ベッドから聞こえる声は聞き覚えがあるんだよな。

 逃げ出したい気持ちを抑え込んで、僕はベッドに掛かっている布団を剥いだ。そして、出て来たのは。

「・・・・・・りういさま」

 何と、全裸のリリムであった。

「・・・・・・何でここに居るの?」

 色々と言いたい事があったけど今はそれしか言えなかった。

 僕がそう尋ねると、リリムは僕の手にある布団を奪い包まった。

 そして、もぞもぞと動き少しすると。

「お久しぶりです。リウイ様」

 布団が退けられると黒を基調とした服を着たリリムが出て来て、僕の前で跪いた。

「あの、さっきは何を」

「このリリム。リウイ様のお会いする事が出来て嬉しく思います」

「あの」

「我が君。既に我が君の奪還作戦は実行されています。後は、この宮殿に来るまで待っていれば、おのずと副都に帰る事が出来ます」

「あのさ」

「ああ、リウイ様。そのお声とその御姿を見聞きする事が出来まして、リリムは望外の喜びです!」

 ・・・・・・これは、さっきまでの事を無かった事にする気だな?

 これは忠臣の気持ちに沿うべきか。それとも、此処は追及すべきか悩むな。

「って、聞き逃しそうになったけど、奪還作戦って⁉」

「はっ。チャンの財力とセナが所属する部隊とリウイ様のお母様の実家と御父様の実家の戦力が合わさった作戦が行われます」

「うわぁ、それってつもり御祖父さん達だけではなくて姉さん達も参加するという事?」

「はい。兄君達と御母上も参加するとの事です」

「此処に来て過剰戦力を投入⁉」

 この国を地図から消すつもりか?

 ソアヴィゴ兄さんはそんな虐殺をする人では・・・・・・ないとは言い切れないな。

 目的の為なら手段を択ばないからな。

 しかし、そんな魔国の軍を動かして何の利益があるんだ? 

 というか、どうやって軍をこの国まで運ぶんだ? どうしてそうなったのか全く分からないな。

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