第46話 偶には、休もう
今回は短いです。
侯爵の屋敷に住まわせてもらって数日が経った。
魔法の特訓のお蔭で、僕は魔法を制御できるようになってきた。
まだ完全とは言えないが、それでもある程度の加減は出来る様にはなった。
でも、専門家に言わせるとまだまだらしいので、今だに僕は屋敷で特訓をしている。
「ふぅ、制御って意外に大変だな~」
僕は屋敷にある東屋で茶を飲んでいる。
何で、飲んでいるのかというと、僕の特訓を監督している人が茶を飲んでいるからだ。
「魔法の制御が簡単に出来たら、魔法使いが世界中に溢れているわよ。子豚」
茶を優雅に飲みながら話すエリザさん。
エリザさん曰く、今日は完全休養日だそうだ。
ここ数日、二日特訓して一日休むを繰り返していた。
今日はその休む日だ。
「何で一日休みが必要なんですか?」
「魔法を行使する際、身体にも少なからず負担が掛かるの。慣れている人は分かるけど、子豚みたいに慣れていない人は、その負担が分からないの。それで無茶をして身体を壊してしまうの。だから、二日特訓したら一日休むを繰り返して、負担を軽減しつつその負担が分かるようになりなさい」
専門家にそう言われたら、僕は受け入れる。
「完全休養と言われても、僕は何をしたらいいのかな?」
正直、することがないので困っている。
何かする事がないかと考える。
「あっ、そうだ。前にマイちゃんと約束した事をしよう」
僕は手をポンと叩く。
カップを置いて、僕はエリザさんを見る。
「エリザさん、厨房を貸してくれませせんか」
「厨房を? 何に使うの?」
「前に友達と約束した事を作ろうと思って」
「何か作るの?」
「ええ、僕の世界の料理を」
「ふ~ん、どんなのか興味が湧いたわ。厨房に案内してあげるから、見ていていいかしら?」
「どうぞどうぞ。貸してくれるのですから、それくらいお安い事です」
「じゃあ、付いてきなさい。子豚」
僕はエリザさんに連れられて、厨房に向かった。
(今頃、皆何をしているかな?)
そう思いながら、僕はエリザさんの後に付いて行く。




