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第62話 これはどうするべきか

 ニコルさんの婚約者探しが始まってから数十日が経った。

 今日も決闘場でニコルさんは選抜された相手と決闘をしていた。 

「はあああっ」

 ニコルさんの攻撃が相手の剣を吹き飛ばした。

「うっ。参りました」

 相手は剣を吹き飛ばされて、ニコルさんの剣が首元に当てられて負けを認めた。

「そこまで。勝者ニコル」

 審判が宣言すると、ニコルさんは一礼してその場を離れて休憩した。

 次の対戦相相手のインターバルという感じか。

「ニコルさんって強いんですね」

 僕とリリアンさんとジェシカの三人は決闘場にある観覧席で決闘を見ていた。

 今日でもう二十人抜きだ。

 今迄倒した人数を合わせると百人近く打倒している。

「見た目に反してあの子は人並み外れた武勇を持っているわ」

「姉さんは冒険者ランキングSランクですからね」

 Sランクか。

 冒険者の知り合いが居ないのでどれだけ高いのか分からない。

 まぁ、前世でしていたゲームで考えればSランクというのはかなり高かったな。

 その上にSSランクとかSSSランクとかもあったりするけど、ランクで言えばかなり上位だ。

 この世界の冒険者ランキングも同じかな。今度、ニコルさんに頼んで冒険者の知り合いでも作るか。

 と思っていると、使用人がやって来た。

 僕達の所に来ると一礼して頭を下げたまま来た理由を言う。

「ジェシカ様。婚約式に着るドレスの採寸を測りたいので付いて来てもらえますか」

「ドレスの採寸ですか。もう、ドレスを作るのですか?」

「はい。婚約式はする事は決まっていますので、何時でも出来る様にドレスは作れと陛下からのご命令です」

「伯父様の。分かりました」

 ジェシカは席を立った。

「母様。ちょっとドレスの採寸に行ってきますね」

「わたしもついて行くわ。どんなドレスなのか母親として見ておきたいし」

「えっ。でも」

 ジェシカは僕を見る。

 一人で大丈夫なのだろうかと目で言っていた。

「大丈夫よ。もう公然にジェシカの婚約者と認められた状態なんだから、襲うような事はしないわ」

「そうですよね。じゃあ、リウイさん」

「わたし達は席を外すけど、貴方はどうする?」

「僕はもう少し此処に居ます」

 直ぐには始まらないだろうけど、どうせやる事がなくて暇だからな。

「分かったわ。じゃあ、後でね」

「暇だったら。ドレスを見に来ても良いと思うわよ。上手くいけば、ジェシカの生着替えが見れるわよ♪」

「母様⁉」

「ふふ、冗談よ」

 顔を真っ赤にするジェシカを揶揄うリリアンさん。

 仲が良い親子だな。

 僕の母さんは・・・・・・うん。悪い人では無いとしか言えないな。

 二人が離れて行き、一人になり茶を飲んでいると何処からか使用人がやって来た。

「リウイ様」

「何か?」

 何か凄い真面目な顔をしているけど、何かあったのだろうか。

「お手紙を預かりました。どうぞ。見終わった後は焼却を」

 と言って封に入った手紙を渡すなり何処かに行った。

 封を外して手紙を広げた。

 その手紙に書かれていたのは日本語であった。


『 ノブへ。

 

 この手紙を読んでいるという事は、無事お前の手元に届いたという事だろう。

 読まれても問題ないように日本語で書かれているので、この国の者達は読めないと思う。

 話はお前の乳母から聞いた。

 お前は生まれ変わっても災難が降りかかるようだな。お前らしいとらしいがな。

 数日中にはお前と攫われた親子三人を奪い返す為に事が起こす。

 それまでは辛いかも知れぬが待て。

                                 ユエ』


 そうかユエも話を聞いたか。

 恐らくだけど、リリムと椎名さんにも会っているだろう。

 う~ん。あの時感じた嫌な予感はこれかも知れない。

 ま、まぁ、ユエも流石に国を滅ぼす様な事はしないだろう。

 おっと、続きがあるな。

『 追伸。

 どうして、リリムと椎名が居るのかは本人達から聞いた。

 だが、その事をわたしに言わない事については帰って来てからじっくりと話し合おう。

 最後にお前の姉上達も今、副都に来てお前が攫われた話を聞いた。

 姉上方はお前の奪還に乗り気だぞ。 

                     』


 …………どうしよう。

 どう考えても、暴走しそうな人が居るんだよな。

 ユエに椎名さんにリリムだけではなく、其処に姉さん達も加わったら。

 想像するのも恐ろしい。

 コロニー落としぐらいの惨劇が起こりそうだ。

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