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閑話 何か匂う

 今回はセナ視点です

「申し訳ありません。リウイ様は只今、商用で出掛けております」

 副都に来て早々、リウイ君の店に行くなり店を預ずかっている女性で名前をソフィーディアという超乳の人が頭を下げてそう言う。

 直感だけど何か隠してないかな?

「そうか何処に行ったのかな?」

「申し訳ありません。それもお教え出来ません」

「そうか。では、何時頃帰る?」

「申し訳ありません。それも分かりません」

「ふむ。・・・・・・其方はソフィーディアであったな」

「はい」

「本当の事を言え」

 チャンチャンがズバッと切り込んだ。

 そう言われて一瞬だけど、眉を動かしたソフィーディア。これは何かあると確信した。

「リウイ殿は何処かに出掛けるのであれば、場所ぐらいは教えるぞ。もし、この店やその場所で何かあった時の場合を考えてな。あれで用心深いからな」

 おや、意外と見ているんだチャンチャン。

 気に入っているとは聞いていたけど、本当にそれだけかな? 何か声がそれだけではない気がする。

「更に言えば、部下からリウイ殿が何人か連れて『八獄の郷』に行ったと言う報告は聞いているぞ。それなのに、何故隠す?」

「それはっ」

 言葉を詰まらせるソフィーディア。

 其処に何か小さくて金髪な可愛らしい子が出て来た。

「良い。ソフィーディア。こやつには隠し立てした所で何にもならぬ。むしろ、協力を申し出た方が良かろう」

「ロゼティータ様」

 ソフィーディア何か古臭い口調の女の子を敬っているようだけど、誰?

「これはリウイ殿の姉上。お久しぶりです」

「ほほ、久しいの。ディアーネよ」

 えっ⁉ こんなに可愛い子がリウイ君のお姉さんなの?

 う~ん。妹と言われても不思議では無い気がする。

「姉上様は確か魔国に居るのでは?」

「うむ。する事がなくなった故に妹達を連れてリインの様子を見に来たのだ」

 リイン?って誰?

「姉上様。そのリインというのはどなたなのですか?」

「おお、説明不足で済まんな。昔、リウイが小さかった頃、自分の名前を呼べずリィと呼んでおってな、其処で妾がリインと呼ぶようにしたのじゃ」

 成程。そういう訳ね。

「姉上様。ところで、どうしてリウイ殿が居ないのですか?」

「うむ。それはな」

「姉さん。お待ちください」

 ロゼティータさんとチャンチャンと話に割り込む様に誰かが声を掛けて来た。

 声が聞こえた方に顔を向けると凄い美人が居た。

「赤の他人であるその者達に身内の事情を話す事はないと思います」

 その美人は凄い冷たい目でチャンチャンを見ている。

 うわぁ、怖いな。魔王って言われても通じる迫力と力がありそうだ。

「これはこれはイザドラ姉上様。ご機嫌麗しゅう」

 そんな冷たい目で見られながらもチャンチャンは一礼する。

 顔を上げるとこれでもかと言うくらいに笑顔を浮かべた。見ていて怖いくらいだ。

「気安く姉上と呼ばないでくれますか? 貴女とは親族になった覚えはありませんので」

「そう冷たい事は言わないで欲しいですね。姉上とは仲良くしたいのですよ」

 二人共笑顔を浮かべているのに、何か怖い。

 チャンチャンがこの美人の事をイザドラと呼んでいた。そして、ロゼティータちゃんの事を「姉さん」と呼んでいたので、多分リウイ君のお姉さんだろう。

 チャンチャンからリウイ君にはお姉さんが何人か居ると聞いているので、その一人だろう。

 二人のは怖い笑顔を浮かべながら話し合っていると。其処に懐かしい顔が見えた。

「あれ、もしかして張さんと村松さん?」

「おや、これは懐かしい顔ですね」

 其処にはシイちゃんこと椎名さんとリリ姉ことリリムさんが居た。

「うわぁ、久しぶりだね。二人共、元気にしていた?」

「うん。転生?してから元気にしていたよ」

「わたしも同じくです」

 懐かしい顔ぶれを見て思わずハイタッチするわたし達。

「で、二人はどうして此処に居るの?」

 そう尋ねると、二人は少し考えるそぶりをした。

「わたしはリッシュモンドから誘われて此処に居ます」

「わたしは偶々かな?」

 何か二人共、何か隠してないか?そんな口ぶりだ。

「偶々ね。ふん」

「そっちこそ、リッシュモンドに誘われて?」

 お互い此処に居る理由を聞いて鼻で笑っていた。

 そして、二人は睨み合った。この二人も相変わらずだね。

「で、どうしてリウイ殿が居ないのか。教えてくれますかイザドラ姉上」

「誰が貴女などにと言いたい所ですが、此処は人手が多い方が良いでしょう。良いですか。姉さん」

「好きにせい。・・・・・・本当は妾が教えたかったのじゃが・・・・・・」

 何かいじけているロゼティータちゃん。可愛いと思った。

「ふぅ、実はリウイが母親の故郷である『八獄の郷』に行って何者かに攫われました」

「何だと⁉」

 驚きの声をあげるチャンチャン。

 気に入っている子だから攫われたという話を聞いて驚いているようだ。

「いったい。誰がそのような事をっ」

「分からん。未確認ではあるがハノヴァンザ王国に居るかもしれない」

「ハノヴァンザか。あそこには支店があったな」

「そうか。では、リインが居るかどうか調べてくれぬか。頼む」

「お任せください」

 チャンチャンが任せろと言わんばかりに胸を叩いた。張り切っているな。

 そんなに気に入っているんだ。あのリウイ君の事。

 でも、何か気になるな。

 あの子を見ていると何故かノブッチを思い出すんだよな。

 見た目は似てないけど雰囲気が似ているんだよな。だから、シイちゃんもリリ姉も一緒に行動しているのかな?

 でも、それだけでチャンチャンも含めた三人が手を貸すかな?何か気になるな。

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