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第56話 他国の宮殿は初めて見る

 それから数日の間、僕達は飛空艇の一室に居た。

 男女が一緒の部屋というのは問題ではと思われたが、他に部屋が無いからかこの部屋のままであった。

 部屋に食事を届ける人に尋ねると、他に部屋が無いので不便だろうが我慢してくれと言われた。

 女性と同じ部屋という問題もあるが僕的には食事の方がきつかった。

 長距離の移動という事で保存食の中心であったが正直に言って不味かった。

 早く地上に着かないかなとという祈りが通じたのか、段々と高度が下がっていくのを感じた。

 僕が明かりを取り込むための窓から外を見ると、飛空艇が高度を下げて行き地面が見える所まで来たのが分かった。

「どうやら陸地に着いた様ね」

「だと思います。これから何処に行くのですか?」

「わたしが故郷に居た頃から飛空艇を開発されていたわ。それからかなりの時間が経ったから、着陸する基地はそれなりに出来ていると思うけど、わたし達を連れて行く兄上に会わせる為に連れて来たと考えるのなら、恐らく王都の『ロンドィウン』に行く事は決まっているわ」

 ハノヴァンザ王国の王都ってそんな名前なんだ。覚えておこう。

 着陸して少しするとドアがノックされた。

『失礼します』

 そう言うなりドアが開いた。

 入って来たのは僕達に食事を届けに部屋に入って来る人だった。

「王都飛空艇基地に着きました。これから馬車に乗って宮殿に向かいますので、お部屋を出て頂きます」

「・・・・・・分かったわ」

 皆を代表してリリアンさんが答えた。

 そして、僕達は部屋を出て久しぶりに外の空気を吸う事が出来た。

 天気は曇っているが太陽はかろうじて差していた。

 空気を吸うと、少し湿度が高いのか湿った空気であった。

「馬車を用意しております。どうぞ、こちらに」

 飛空艇から地面へと降りる桟橋の傍には馬車が一台あった。

 こと此処に至っては抵抗は無意味だと理解している僕達は、地上へと降りてそのまま馬車に乗り込んだ。


 馬車に揺れながら窓から外を見た。

 馬車の周りには騎乗した兵士達が周りをガッチリと固めているので、近くに居る人達は遠巻きに馬車を見ていた。

 馬車を見ている人達は皆、疲れ切った顔をしていた。

 これは国としてかなりヤバイな。その内、国が亡ぶのではと思われた。

 窓から見える人の顔を見てそう思った。

 その窓から一際デカい宮殿が見えた。

「あれが僕達が行く所ですか?」

「そうよ。ビッグバンク宮殿という所よ」

「あそこにわたし達の伯父様が居るのですね」

「ええ、その通りよ。ジェシカ」

 もう隠す事は無いのかリリアンさんは自分の娘達を本名で呼び出した。

 窓から見る宮殿は僕が行った事がある宮殿に比べると、デカい塔が幾つも建っておりそれを囲むように二重の城壁で囲まれていた。

 更に近くには川があるのだろう。水堀が張り巡らされていた。

 これは落とすとしたらかなりの労力が必要な城だと思った。

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