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第53話 状況の説明を求める

 僕達は『当鏡』に着いたので、折角ここまで来たのだからカミノサラ家の現当主に挨拶ぐらいはしようと思い、当主が暮らしている城館に出向いた。

 いきなり訪ねて来てもミズホ叔母さんが居るので特に言われる事は無かったが。

「えっ、居ない」

「はっ。当主様は現在領地の視察に行っておりますので、お帰りが何時になるか分かりません」

「そうですか。分かりました」

 家令の人にそう言われては仕方がない。なので数日、この地を観光する事にしてから『柱雷』に帰る事にした。

 観光案内は何度も来ているミズホ叔母さんがしてくれると言うので大丈夫だろう。

 変な所は行かないと思うが一応用心はしておこう。

 なので、宿を取ったのだが。そこでトラブルが起こった。

「申し訳ありません。今ご案内できるのは三人部屋は二つしかありません」

 宿屋の主人が頭を下げる。

 ミズホ叔母さんが個人的に気に入っている宿という事で選んだが、部屋が今言った部屋しかないそうだ。もう日が暮れているからこれから他の宿を探すのは大変だ。

「僕は別に構わないけど。他の人達は良いかな?」

「わたしは別に構わないわよ」

「ええ、わたしも」

「異議なし」

「わたしも問題ありません」

 ミズホ叔母さんとパシパエとルフとジェシーの四人は問題なしか。

「妹と一緒ならだれでも良いわ」

 二コラもジェシーと一緒なら文句はないと言うので、僕達はその宿に泊まる事にした。

 どうやって部屋を選ぶか揉めに揉めた結果。

 クジ引きとなり以下の様になった。

 僕、ジェシー、二コラと同じ部屋。

 ミズホ叔母さん、パシパエ、ルフは同じ部屋。

 その結果を聞くなり、叔母さんはもう一度しようと言った。

 我が儘だなと思いつつも叔母なので顔を立ててもう一度する事になったが結果は同じだった。

 その結果を見て、叔母さんは渋々その部屋へと向かった。

 

 その夜。

 夕食を食べ終えた僕達は部屋へと戻った。

「ふぅ、美味しい料理だったね」

「そうね」

「料理ってその国のそれぞれの文化や風習を組み込んでいるんですよね。副都とはまた一風違っているし柱雷で食べた料理とも少し違ってましたね」

「そうだね。結構違ったね」

 副都の料理はどちらかと言うと多国籍料理みたいな感じだったな。

 対して柱雷は創作和食みたいで、ここ当鏡の料理は和洋折衷の料理という感じだな。

 個人的には柱雷の料理の方が好みだ。

 これは母さんの故郷だからか、もしくは前世が日本人だったからかもしれない。

 その後は他愛のない話をしてから僕達はベッドに潜り込み眠りについた。

 

「う、うん、・・・・・・もう朝か」

 朝日が部屋に入り込んだので僕は目を覚ました。

 身体を起こそうとしたが。両腕が何かに挟まれて動けなかった。

 何だと思い顔を上げて見ると、右腕には二コラが。左腕にはジェシーが居た。

 どういう事⁈と混乱していると、天井が宿の天井では無い事に気付いた。

「知らない天井だ。何て言っている場合じゃないな」

 僕は二人をそっと引きはがして部屋の周りを見る。

 窓があったので其処から外を見た。

 窓から見えたのは青い空だった。

「どういう事?」

 理解不能と言える状況に僕は頭を抱えた。

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