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第52話 これが飛空艇か

 『柱雷』を出て数日後。

 僕達はカミノサラ家の領都『当鏡(とうきょう)』に着いた。

 ラサツキ家の領都の名前を聞いても思ったが、何か由来があるのだろうか?

 それをミズホ叔母さんに聞いたが、分からないと返事を貰った。

 セクシャーナトさんに聞こうにもあの人は僕達と一緒には来てないので聞く事が出来ない。

 何かやる事があるとかでまだ残ると言っていた。そのやる事が終るのに合わせるかと最初は思ったが。

『そう簡単に終わる事では無いから早く行った方が良いわよ』

 と言われては仕方がなく、僕達は『当鏡』に行く事にした。

 そんな訳で着いた。

 馬車の窓から外を見たが建物の造りは『柱雷』と変わりなかった。

「此処が『当鏡』か。『柱雷』とあまり変わらないな」

「同じ国ではあるから何処か変わっているという事は無いわよ」

「そういうものなんだ」

 てっきり各々の家の領地は何かしらの特徴があると思っていた。

「強いて言えば。屋根の色が違う事かしら」

「屋根の色?」

「ほら見て、あそこの家の屋根。何色に見える。

「……緑色だ」

「そう。各家の領地によって色分けされているの。ちなみに、ラサツキ家は紫よ」

 言われてみれば家の屋根は紫色だったな。

「使われている色は赤・青・黄・橙・茶・白・黒よ。どの家がどの色を使っているかは今度話すわね」

「お願いします」

 今は飛空艇がどんな物か見るのが先だ。

 僕達は馬車に揺られながらそのハノヴァンザ王国の使者が居る屋敷に向かった。


 で、その屋敷の前に来た。

 流石に屋敷の中には居る事は出来ない。

 だが、屋敷の塀を越える高さを持った飛空艇を見る事は出来た。

「おお、これが飛空艇か」

 思ったよりも大きい事と形が違った。

 想像では雄大な青の物語や最終物語に出て来る飛空艇ではなく、どちらかと言うと空を飛ぶ帆船という形をしていた。

 もしかして、魔石で浮いて帆で風を操りながら進むという感じかな。

 という事は舵で操舵するのかな?

 う~ん。塀越しだから全形が見えないのでどんな方法で操縦するのか、動力は何を使っているのか。そもそも、この飛空艇に使われている材質はどんな物なのか。

 其処が分からないというのは口惜しいな。

 今度、こっそりバシド当たりをこの飛空艇に入らせてどんな構造なのか調べさせようかな?

 とそんな事を思っていると、屋敷から誰かが出て来た。

 どうやら人間族の様だ。

 馬車の窓越しにその人と顔を合わせる。

「……? ……っ⁉」

 その人は僕を見るなり不審そうな顔をしたが、直ぐに驚愕した顔をしていた。

 その人の視線を辿ると、隣に居るジェシーを見ていた。

「?」

 ジェシーはその人と顔を会わせても首を傾げていた。

「知り合い?」

「いえ、知りません」

「どうせ、ジェシーの綺麗さを見て驚いているだけでしょう」

 そうかな。どちらかと言うと、ジェシーが此処に居る事を驚いている様な顔の様だが。

 まぁ良いか。

「此処に居ては通行の邪魔だから行こうか」

 御者に馬車を出す様に指示した。馬車はゆっくりと進んで行った。

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