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第48話 当初の目的を思い出す

 衝撃を受けて驚きはしたが直ぐに立ち直った僕はという。

「しかし、あの子が結婚したという事も驚いたけど、まさかこんなに可愛い子を作るなんてね」

「其処は同感ね。正直に言って女は捨てたと思っていたわ」

「それが、こんなに可愛い子を産むなんて世の中何が起こるか分かならないわね」

 アイライ御祖母さんとミズホ叔母さんと従姉のアンジュに遊ばれています。

 今、頬を抓られたり突っつかれたり頭撫でられたり抱き締められたりキスをされたりしています。 

 こうされていると故郷に居る姉さん達を思い出すな。

 其処まで思い出して、僕がどうして此処に居るのか思い出した。

 しかし、その事を皆に話しても良いものか。う~ん。悩むな。

「どうかしたの? リウイお兄ちゃん。もしかして、御祖母様達の相手をして疲れたの?」

 僕を弄るのを止めて話に夢中になった三人の隙を縫うかのようにナギサちゃんが話しかけてきた。

 凄い心配そうな顔をしているな。

「えっと、僕の顔がどうかしたの?」

「何か難しい事を考えている顔をしていたよ」

 この子。見た面に反して洞察力があるようだ。なかなか侮れないな。

「いや、御祖母さん達に囲まれていると故郷に居た姉さん達を思い出して」

「姉さん?」

「うん。腹違いの姉弟なんだ」

「何人いるの?」

「ええっと、男女合わせて二十人だね」

「そんなにいるの⁉」

「で、僕が一番下の末の子。だからか他の兄弟というか姉さん達にこんな風にされてたよ」

「リウイお兄ちゃんのお姉さんって何人いるの?」

「五人だよ」

 その中で一番ヤバいのは次女のイザドラ姉上だと心の中で思った。

 前世で姉がいなかった事でどうも接し方が分からなかったけど、今考えてもちょっと過保護だったなと思えてきた。

 本人に言えば「よそはよそ、うちはうちです」とか言いそうだけどね。

 姉さん達の事だから僕が居ないと知っても当分居座りそうなので、長期戦を想定した方が良いだろうな。まぁ、流石にこの国に来る事はないだろう。

 そんな事をしたら国境侵犯やら外交問題とか面倒な事が起こるからな。

 幾らなんでも其処まで血迷った事は……しないと思う。多分。

 断言が出来ないのが悲しいと取るべきか、それとも姉の性格がそれだけぶっ飛んでいると取るべきか悩む所だな。

「じゃあ、リウイお兄ちゃんの下には誰も居ないんだ。じゃあ、わたしは妹みたいな物だね」

「従妹だからそうなるのか」

 前世でも妹と言える事は居なかったな。だからか思う。妹が居たらこんな感じなのかなと。

 さほど身長差はないけど僕は手を伸ばしてナギサちゃんの頭を撫でた。

「ふふ、わたし御父様と伯父さんとお祖父様以外の人達に撫でられたのは初めて」

「そうなんだ。って、そう言えばナギサちゃんのお父さんはどうしたの?」

「お父様は武者修行の旅に出ているの。伯父さんは今、新しく建てる建物の監督に別の都市に行っているの」

「へぇ、そうなんだ」

 あれ? ちょっと待てよ。セクシャーナトさんから聞いた事前の話には伯父さん達の事は言っていなかったな。何でだろう?

 ……もしかして、ワザとか?

 敢えて教えないで居ないもしくは亡くなったと思わせて、居る事をばらして驚かせる心算だったのか?

 あの人なら有り得るな。

 ここ数日の付き合いだけど、それなのにどんな性格なのかよく分かったからな。

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