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第41話 入ったのは良いけど

 副都を出て南へと向かう僕達。

 その間、女性陣はセクシャーナトさんと話をしていた。僕は改めてこの大陸の地図を見た。

 空から見た訳でも測量した訳でもないので、国境も地形も適当だが前世の勢力図が大きく変わっていた。

 前世の大陸の勢力図から見ると亜人族と鬼人族と天人族が他の種族との勢力に押されている感じであった。更に西方が事細かく書かれていた。

 西方には行った事が無いので行く事があった行く事にしよう。

 西方で思い出したが、少し前に居た都市で行われた祭りにイストリア帝国の皇室の方々が店に来た事があったな。着ていた服はアラビアンみたいな服だったが、帝国の庶民の服装も同じなのだろな。

「遠くを見ているけど、どうかしたのですか?」

 宙を見ていると、ジェシーが話しかけて来た。

「いや、ちょっとした考え事をね」

「……セクシャーナト様から話を聞いたんですけど、リウイさんのお母さんはこれから向かう『八獄の郷』のラサツキ家領主の娘だって」

「そうらしいね」

 本人からそんな話は聞いてない。周りの人がそう言っているだけだ。

「という事は、リウイさんは貴族の子弟という事に?」

「いや、話を聞いた限りだと『八獄の郷』で領主と言われる身分を持つ者は爵位で言うと公爵みたいなものなんって」

「公爵ですか。つまりは王族って事?」

「そう。『八獄の郷』は君主制では無く合議制だから、僕の家は選帝侯みたいなものだね」

「せんていこう?」

 ジェシーは何それ?みたいな顔をする。

「簡単に言えば、王位を継ぐための継承権を持った諸侯という事だよ」

「ああ、だから公爵ですか」

 その説明で僕の家がどんな所なのか分かった様だ。

 とは言え、どんな家なのか全く分からない。

 ダイゴク達の話だと古い因習に縛られた家というイメージしかないのだけど。

 チラリとセクシャーナトさんを見る。

 そんな仕来りに縛られる人では無いな。むしろ、そんな仕来りをぶち壊して自分達の都合の良い仕来りを作ることぐらいしそうだよな。と言うか、絶対する。断言できる。

 実際、それぐらい自由で奔放と言うか破天荒な人だしな。

「どうかしたの、ですか?」

「別に。ああ、それと別に敬語で話さなくても良いよ。同い年なんだから」

「そうですじゃなくて、うん。分かった」 

 ニッコリと笑顔を浮かべるジェシー。

「じゃあ、わたしはリウ君って呼んで良いですか?」

「別に良いけど」

「うん。良かった。これからもよろしくね。リウ君」

 笑顔で言うジェシー。


 それから数日。

 南へ南へと向かう僕達。

 ようやく、公国と郷との国境に辿り着いた。

 関所もあったが、セクシャーナトさんが乗っているという事が分かると、関守はすんなりと通してくれた。

 貰った手形要らなかったなと思いつつも僕達は『八獄の郷』に入る。

 そして、お爺さんが達が住んでいるというラサツキ家の領都『柱雷(しゅらい)』へと向かう。

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