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第30話 向こうは手段を択ばなくなったな

 この副都に来てから一ヶ月が経った。

 その頃になるとデカス商会と僕の店は売り上げは右肩上がりであった。

 逆にラクロワド商会は売り上げが低迷していていった。

 クリストフ達の借金ももう少しで返せるそうだ。

 これで良かったと言えたら誰も文句はないのだろうけど、そうは問屋が卸さなかった。

 最近、夜の営業が終ると店の周りをうろつく人達が居るとダイゴク達から聞いている。

 更にはリリーさん達が家に帰る途中で誰かに見られている感じがしたと言っていた。

 調べてみたら、どうやらラクロワド商会の者達が後を追い掛けていたようだ。

 恐らく、相手は拉致を考えているのかも知れないな。

 クリストフ親子を誰かを拉致ってタイヤの販売権やらを渡せとか色々と言うだろうな。

 随分と強硬な手段を取って来るな。

 さてさて、どうしたものかな。

 その事について、ご意見番を集めて会議を行う事にした。

「奴らめ。とうとうそのような手段に出たか」

「これは我々も相応の手を取るべきでしょうな。リウイ様」

「うむ。此処らで敵を完膚なきまで叩き潰すとしようか」

 僕達は暗い部屋の中で話し合った。

 何で暗くしたのかと言うと、何となく雰囲気でした。

「そうですな」

「わたしも異論はありません」

「アクパラはどうかな?」

「そうじゃな」

 アクパラに訊ねると、少し考えだした。

「まず答える前に、何で部屋を暗くしておるんじゃ?」

「雰囲気でっ」

「別に隠す事も出ないし、夜ではないのだから明るくせい」

 ちえっ。こういう暗い中で会議をするのをやってみたかったけどな。

 僕は渋々カーテンを開けて、部屋を明るくした。

「お主らも、リウイの遊びに付き合うのもほどほどにせい」

「申し訳ない。何故か乗らないと駄目な気がしまして」

「同じく」

 アクパラに謝るハヌカーンとリッシュモンド。

 今日の会議メンバーはリッシュモンド。ハヌカーン。僕。アクパラの四人だ。

 今回はソフィーには呼んでいない。

 というよりも、今日は店の店員する日なので参加できないというのが正しい。

「しかし、リウイよ。現状 仕返しはしておるのだろう。ラクロワド商会からプラチナと銀と金などを購入して高炉で溶かして、それをデカス商会に流す。これだけでも十分に仕返しになるのにタイヤの販売権も与えたのじゃ、これで十分じゃと思うのじゃが」

「いや、相手が拉致という手段を取るかも知れないから、此処はそんな事をしないように打撃を与えるべきだと思うんだ」

「具体的には何をするんじゃ?」

「…………」

「その顔を見るに、何の考えも無いようじゃな」

 正解。まぁ、だから、三人を集めたんだけどね。

「まぁ、我らが話し合えば何かしら良い案が浮かぶかもしれませんぞ」

「だと良いがな」

「兎も角、どうするか話し合おうぞ」

 僕達は今後の対策を話し合った。

 後少しで何かしら良い案が出るという所で。

「お話し中失礼します。リウイ様っ。緊急事態ですっ⁈」

 天井からバシドが降りて来た。

「何かあった?」

「先程、店に向かう途中であったジェシーが何者かにさらわれました」

「「「むっ⁉」」」

 とうとう強行手段に出たか。

「それで捕まえた?」

「申し訳ありません。逃げ足が速くあと一歩という所で捕り逃がしましたが、逃げた先は分かりました」

「ラクロワド商会の関係している所?」

 僕がそう訊ねると、バシドは頷いた。

 ふふふ、そっちがそういう手段で来るのならこちらも手段を択ばない事にしよう。

「リウイ様。如何なさいますか?」

「なに、簡単な事だよ。ジェシーを奪い返して、それでラクロワド商会を潰す」

 僕がそう言うとアクパラ以外跪いた。

「どうぞ。何なりとご命令を」

「バシド。頼みがあるんだ」

「はっ。何なりと」

 僕はバシドの耳元に囁く。

「では、直ぐに」

 そう答えてバシドは姿を消した。

「こういう場合は向こうから要求が来るはずだ。それまでに何があっても動く様にしておいてと、皆に伝えて。それとクリストフ達にはこの事を伝えて」

「承知しました」

 さて、相手はどんな要求をしてくるかな?

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