表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
507/756

第29話 はっはは、笑いが止まらないな

 ラクロワド商会と縁を切ったデカス商会に僕はタイヤの販売権と金の延べ棒などを与えた。

 バシドの調べだと、この商会は亜人族中でも手先が器用なドワーフ、ハーフリング、グレムリンとの職人達を多く抱えていると聞いている。

 なので、細工物が得意だろうと思い細工に仕える金を渡した。

 グレミーさん達は「これで商会が息を吹き返せる」と言って直ぐに作業に入った。

 条件として、売り上げの四割を僕にくれるという事にした。宝石は別途料金を支払ってもらう様にしてもらった。

 それ以上だと取り過ぎだと思うしこれ以下だと取らなさすぎるからだ。

 目論見は大成功で、デカス商会の店には行列が出来ていた。

「はっはは、儲かっているね~」

「本当にね」

 僕はティナとアマルティアと一緒にデカス商会がどうなっているか見に来た。

 そうしたら、行列が出来ている。正に笑いが止まらないな。

「ねぇ、リウイ」

「なに?」

「リウイはどうやって、金の延べ棒を作ったの?」

「ああ、それはね」

 話す前に周りを確認する。誰かに聞かれたら面倒だからな。

 ……誰も居ないな。良し。

「ラクロワド商会から買ったプラチナから作ったんだ」

「ああ、あれね。最初見た時は銀かと思ったわ」

「わたしもです」

 まぁ、そうだよね。前世の世界でも昔は銀の偽物と言われていたからな。

 何せ、銀に似ているのに銀が溶ける温度の熱でも溶けなかったから偽物扱いされたんだよね。

 確か銀の融解温度は約千度ぐらいだけど、プラチナは約二千度近くだからな。

 それを捨て値で売っていたという事は熔解出来ないという事だろう。

 プラチナを溶かす高炉の作り方とそれを作る耐火煉瓦の作り方をクリストフに教えた。

 教えられた本人は大層喜びながら制作した。

 粘土を型にはめて焼成する前に乾燥具合で出来が変わると喜びながら報告して来た。

 で、出来たのが前にラクロワド商会の人達に渡した金の延べ棒だ。

 しかし、ラクロワド商会もまさか自分の商会で捨て値で売っている物が大金になるとは思わなかっただろうな。

「ところで、宝石の方はどうやって手に入れたの?」

「ああ、あれはね。クリストフに生成方法を教えて作らせたんだ」

 合成宝石という奴だけど、こっちの世界じゃあ宝石に変わりないからな。

「っ⁉ 宝石って作れるの⁉」

 ティナが大声を上げたので僕は人差し指を唇に当てた。

「しー」

「ごめん」

「でも、アルティナさんが驚くのも無理ないですよ。宝石を作るなんて」

 アマルティアの中でも宝石は自然に作られる物というイメージがあるようだ。

 構成している分子とか言っても分からないだろうな。

「まぁ、本で読んだらこういう風に作れるって書いてあったからね」

 前世で読んだ本だけどね。

「へぇ~、あたし。そんな本、故郷に居た頃に読んだ事はないんだけど」

「ティナは。……身体を動かす方が好きだったから」

 勉強が嫌いでよく逃げ出していたからな

「ふふ、ティナさんは勉強よりも遊ぶ方が好きだったのでは?」

「そんな訳、……ま、まぁ、子供の頃だしそんなものじゃない?」

 顔を反らして何処かを見るティナ。それを見て僕達は互いの顔を見て笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ