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第19話 開店だけど

 タイヤを見て商売になると思った商会の人達が連日来たけど、他の者に対応させながら開店準備を進ませた事で、ついに明日オープンにこぎつけた。

 ここまで来るのに時間が掛かったな。

 談話室で茶を飲みながらしみじみ思う。

「ようやく開店できますね」

「商品は全て問題なく手配済みです」

「問題は看板じゃのう。何時頃届くのじゃ?」

「今日中には届くと連絡が来ております」

 確か看板制作を依頼したのは『鳳凰商会』だったな。ユエの顔を立てて頼んだけど早く来ないかな。

 其処まで考えて思った。

 ユエに任せきりでどんな看板にするか決めていなかった事。

 まずいと思いつつも、今更注文しても明日届けると言うのは無理な話だ。

 ……此処はユエの感性で普通の看板が来る事を祈ろう。

 お願いだから普通の看板が着ます様に。

 そんな祈りをしていると、宿の人が僕達に会いたい人が居ると言って連れて来てくれた。

 連れて来たのはリアフォさんだった。

「お疲れ様です。リウイ様」

「そちらこそお疲れ様です。今日はどんな御用で?」

「我が商会に依頼された商品を納入に来ました。後、これは会長がリウイ様宛に」

 リアフォさんは手紙を出して僕に渡した。

 僕はその手紙を広げて中身を見た。

 誰かに見られても良いようにか、中国語で書かれていた。

 ええっと意訳すると。

『 親愛なるノブへ。


 この手紙を見ているという事は、うちで発注した看板がお前の下に届いたという事だろう。

 看板だけ発注されたので、こちらの世界で一般的に売られている看板を用意した。

 後、リアフォから商会の名前を聞いたが、お前の事だからマーベラスかエンターテイメントとかエターナルとかつけると思っていた。

 幼馴染として出資者として商売の先達である者として敢えて言わせてもらおう。

 捻りが無い上にダサくてイマイチだ。

 其処で、わたしは決断した。

 そんなダサい商会なんぞよりも、わたしが幹部の者達と三日三晩考えて考え抜いた名前にしろ。

 その名は『翔鵬商会』だ。

                                       ユエ』


 え、ええっ。それはないだろう。

 うん? 続きがあるな。


『PS 看板の方はそっちの名前を入れたからな』

 その一文を見て、僕はリアフォさんを見る。

 目が合うとリアフォさんは苦笑した。

 その反応をする所を見ると知っているようだ‼

「ご、ご要望の看板は外に置いてありますので、どうぞ。ご覧ください。では、わたしはこれで」

 一礼してその場を去るリアフォさん。

 逃げたな。

「では、その看板を見に来ましょうか」

「そうですね。どのような形なのか楽しみです」

 僕と一緒に談話室に居た人達は外に出る。僕も一緒に外に出た。

 外に出て目に入ったのは鵬を模した飾りが彫られた木の板にデカデカと『翔鵬商会』と刻まれていた。

 これは看板に刻字されているようだ。

 字は見事。だけど。

「「「うん?」」」

 皆名前が違うのでは?という顔をした。

 今から、作り直しと言っても明日の開店に間に合わない。

 はぁ、仕方がないからこの商会名で商売するか。

 良いと思ったんだけどな。マーベラス商会。

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