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第9話 検証しながら商品になる事を教える

 僕達はクリストフを店の中に入れる。

 これから行う事を誰にも見られない様にする為だ。

「まずは自己紹介だね。この人はクリストフ。これからの僕達の商売の軸になる物を作ってくれる人だよ」

「クリストフだ。よろしく」 

「アングルボザには一度昨日あったので紹介は省くけど、まずはこっちに居る人から紹介します。右からリッシュモンド、アクパラ、ハヌカーン、ソフィーディアです」

「よろしく」

「お初にお目に掛かる」

「ハヌカーンと申す。以後よろしく」

「今後ともよしなに

「次は僕の護衛のルーティです」

「初めまして」

 ルーティが頭を上げるので、クリストフは頭を下げた。

「それで、貴殿はこのゴーミマの多様性を見せると言ったが、まずはどうやって見せるのだ?」

 周りにいる皆を見て、ぞんざいな言葉遣いをすればタダでは済まないと分かったのか丁寧な口調で訊ねてきた。

「そうですね。まずはあまり大きくないゴーミマをくれますか」

「ああ」

 クリストフは僕にそんなにゴーミマを渡した。

 そのゴーミマを手に取りながら、僕は感触と弾性を確かめていた。

「リウイ様。それは?」

「ゴーミマという物だよ。見ての通り結構弾力がある物だね」

「それは何に使えるのですか? わたしの見た限りではせいぜい緩衝材ぐらいにしか見えないのですが」

「あながち外れではないかな。そうだな。ソフィー」

「はい」

「管を持ってきて」

「はぁ、分かりました」

 不思議そうな顔をするソフィーは管を持って来た。

 僕はその管をまず見る。ふむ、車輪ぐらいの幅はあるな。これでなら良いか。

「この中で火の魔法を使える人は居る」

「わたしは使えますが」

「じゃあ、ハヌカーン。あまり強く無い炎でこのゴーミマを温めてくれる」

「はぁ、分かりました」

「ま、待って。それは」

「良いから良いから。見ててよ」

 クリストフは慌ててハヌカーンを止めようとしたが僕が制した。

 やはり耐熱性ではないか。予想通りだな。

 ハヌカーンは手から火を出して、ゴーミマを温めた。

「「「ぬっ⁉」」」

 火に当てて少しすると、ゴーミマの正面が溶けだした。ハヌカーン達はそれを見て顔を顰める。

 熱に弱いのであれば役に立たないのではと顔に書かれていた。

 それを見てクリストフは言わん事ないないという顔をした。

「その溶けたゴーミマを板状にして管に巻きつけて」

「はぁ、分かりました」

 ハヌカーンは言われた通りに溶けたゴーミマを管に巻き付けた。

 少し時間を置いてと。

「じゃあ、その管を取って」

「はい」

 言われた通りに管を取る。

 管を取ったゴーミマを見て確信した。白いけど、これはタイヤだと断言出来た。

「それを車輪に取り付けて」

 皆、言われるがままに車輪に取り付けた。

 取り付けるのに少し手間が掛かったが、何とか車輪にタイヤをつける事が出来た。

「よし」

「リウイよ。これは何じゃ?」

「後で説明するから。そのゴーミマを持っていない方の車輪もあるよね?」

「はい。用意しております」

「じゃあ、両方を転がして見て」

 僕がそう言うと、皆なんでそんな事をするのだろうと思いながらも、タイヤがついた車輪と付いていない車輪を同時に転がした。

 すると。

「「「おおおおおおっっ⁉」」」

 タイヤがついた車輪の方が先に壁に当たった

 壁に当たった車輪は跳ね返り少し進むと横に倒れた。

 少し遅れてタイヤが付いていない車輪が壁に当たった。

「これは凄い‼ このゴーミマをつけた方が速く進むとはっ」

「悪くないな。しかも車輪をこのゴーミマで覆った事で車輪が擦り減る事が無くなった」

「更に凄いのこの弾性じゃな」

 アクパラがタイヤが付いている車輪に近付きタイヤの部分に触れる。

「この弾性があれば凸凹した道も難なく進めるじゃろうな」

 ふむ。頭がいい人達は転がる車輪を見てそれが分かったか。

 流石に空気入りではなく総ゴムタイプのタイヤだが。そう遠くない内に空気入りのタイヤを開発できるだろう。

「お、おおお、・・・・・・まさか、こんな使い方があったとは・・・・・・」

 あんぐりと口を開けるクリストフ。

 ふふふ、これは使えるな。さて、他の物も見てみるか。

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