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第8話 この人、ネーミングセンスに問題があるな

 翌日。


 目覚めた僕は朝食を食べるなり宿を出た。

 今回はアングルボザとルーティを護衛にして他にもアクパラ、ハヌカーン、リッシュモンド、ソフィーを連れて『鳳凰商会』の店まで向かう。

 店に着くと、店長のリアフォさんは用事があるとかで居なかったが店員に理由を話して鍵を貰った。

 その鍵を受け取るなり僕はその店舗へと向かった。

 そして、その店の前でソフィーと一緒に待った。

「あの本当にその方は来るのでしょうか?」

「う~ん。どうだろう?」

 住所は書いた紙を渡したけど、時間指定しなかったからな。

 宿に帰って気付くとか僕も間抜けだな。

 なので、何時来ても良いように朝早くから店の前で待っている。

「それとどうして車の車輪を中に入れたのですか?」

「秘密」

 これは言っても分からないから現物を見せた方が良いと思い何も言わない。

 それから一時間ほど経った。

「来ませんね」

「だね」

 これは店の中で待っていた方が良いかな。

 そう思いながら待ってると、前方から荷車を引っ張っている人が見えた。

 目を凝らすと、クリストフだった。

 僕が手を振ると向こうも引っ張るのを止めて手を振った。

「来たようですね」

「うん。これでちゃんと説明できる」

 ソフィーと話している間にもクリストフは進み、僕達の前まで来た。

「おはよう。来るのが遅れたか?」

「いえいえ、問題ありません。僕も時間を指定するの忘れていたので何時来るかハラハラでした」

「はっははは、今日はわたしの研究を披露する日だ。昨日から早く明日にならないかとドキドキしながら待っていたぞ」

 クリストフは良い笑顔を浮かべて荷車を置いた。

「で、頼んだ物は持って来たのですか?」

「ああ、それと他の物も持って来たが構わないか?」

「別に良いですけど?」

 荷車に目を向けると、何か箱とか色々な物が載っていた。

 その中で綺麗な断面の大理石みたいな物を見つけた。

 手に取って触ってみたが硬くそれなりに重かった。

「これは?」

「それは少し前に作った物で名付けて『タールポモール』という物だ」

「どうやって作ったのですか?」

「ふふふ、子供のお前に言っても分からないだろうが、これは粘土、石灰、珪石、せっこうという物を混ぜ合わせて作った物を砂、砂利、水で凝固させた物だ」

「へぇ、そうなんですか」

 その説明を聞いてこれはコンクリートだと思った。

 それにしては随分と綺麗な白色だな。

「これは作った物の中で一番綺麗な白色を持って来たが、何故白になったのかは今の所研究中だが恐らく水が関係していると思われる。このタールポモールを作る時に使った水は汽水湖の水を使い、更に魔法で精製した事でこんな色になったのだ」

 汽水湖の水か。少し海水が混じって更に魔法で精製したからこんな色になったか。

 前世でも材料は分かっていたので作ったのだが最初は失敗した。

 最終的には最古のコンクリートの一つであるローマンコンクリートを作る事に成功した。

 でも、完成したのが僕が魔王討伐に向かう直前だったからな。あまり広まっていない様だ。

 この副都に来るまでの街道も石畳であった。近い内にユエに一声掛けて商売にするか。

 しかし、この人。ネーミングがイマイチだ。

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