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第1話 ようやく着いた

 椎名さんに会った事で予定より少し時間は掛かったが、それでもようやく副都『ドレディンス』にたどり着いた。

「ようやく着いたね」

「そうですね」

 手でひさしを作りながら見えて来た副都を見ながら呟くと、ソフィーが同意とばかりに頷いた。

 此処に来るまでの道中大変だった。

 何が大変だったのかと言うと。

「う~ん。ようやく着いたね。此処はどういう所なんだろう」

「山に引きこもっていた龍が来る所ではないですからね。まぁ、来たとしても厄災扱いされて入る事も出来なかったでしょうがね」

「ふふ、それ言うのなら、貴女みたいな傭兵がこんな所に来る事もないでしょうね。何の教養も無いのだから」

「あれ、わたしはこれでも前の主に色々と教わって心は豊かになりましたよ。まぁ、その前の主の周りをうろつく邪魔者が居たので追い払うのに大変でしたけどね」

「そうなんだ。でも、おかしいな。わたしの記憶だとその人は自分の傍に引っ付く女性の事は何とも思っていなかったと思うな~」

 道中、リリムと椎名さんの二人はこういうギスギスとした嫌味の言い合いをしていた。

 当初は戦闘に発展しそうだったので、それは禁止と言うと二人は罵り合いを始めた。

 これを止めると今度はまた変に爆発してとんでもない事をしでかしそうな気がしたので好きにさせた。

 それで道中ギスギスした空気になった。

 偶に魔獣が襲って来た時もあったけど、皆、ギスギスした空気を払うかのように暴れまわった。

 お蔭で何か高級な魔獣の肉や毛皮、魔石、爪などが手に入った。

 まぁ、戦闘が終るとギスギスした空気に戻ったけどね。

「はぁ~、あの二人。仲良く出来ないのかな?」

「無理でしょうね」

 ソフィーは断言した。

「リウイ様。女という生き物は幾つになっても男の寵が欲しい生き物なんですよ」

「そうなの?」

 前世では女性と付き合った事が無いので分からない。

「ふふふ、リウイ様でしたら分かると思いますよ」

「? どう言う意味?」

 僕がそう尋ねると、ソフィーはこれは言っては駄目だったみたいな顔をした。

「……いえ、今のは言葉のあやです」

「そう」

 何か引っ掛かるけど、ソフィーがそう言うのであればそうなのだろう。

 僕がソフィーと話していると。

「「…………」」

 何か視線を感じたのでそちらに目を向けると、リリムと椎名さんが僕達の方を見ていた。

 君達、さっきまで殺気交じりの嫌味の言い合いをしていたのでは?

「あの二人。何かやけに親しくない?」

「そうね。ソフィー殿は乳母と聞いていますけど、それにしては距離感が近すぎる気がしますね」

「もしかして、リウイ君はああいう人が好みなのかな?」

「そこまでは。ですが、リウイ様は胸が育っている人の方が好みだと思いますよ」

「何でそう思うの?」

「リウイ様の周りに居る女性の殆どは胸が大きい人が多いですから」

「成程。じゃあわたしも」

 いや、それは部族長が送って来ただけなので。まぁ、嫌いではないかな。

 そんな話をしている内に副都に着いた。

 僕の名前を出すとすんなりと通してくれた。

 これはユエが手を回したなと思いながら副都に入った。

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