表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/756

第38話 魔法適性が有り過ぎるのも問題だ

 この後も魔法の契約はスムーズに進む。

 契約する際に出て来る神様もポピュラーなものからマイナーなものまで色々出て来た。

(今の所、クトゥルフ神話の神は出てこないけど、この世界だと居ないのかな?)

 まぁ、あの神話は昔のアメリカの小説家が作った架空の神話だから、存在しないのかもしれない。

 一応、カドモスさんにも訊いてみたが、そんな神は聞いた事も無いらしい。

 そうして話している間にも、順番は進み。次はユエの番だ。

 ユエは気負うことなく魔法陣に入る。契約の詠唱を唱える。

『わ、我、此処に万物の力を希う。遍く力よ。我が求めに応じて、此処、御成りあそばせたまえ』

 うん? 今、詠唱を区切らないで言わなかった?

 カドモスさんもそう聞こえたようで、顔を青くする。

「な、なななっ、なんという事をっ⁉」

 何か、ひどく慌てている。

 と言う事は、これはかなり問題あり‼

「ユエっ‼」

 僕は魔法陣に近付く。

 ほぼ同時に、魔法陣が輝きだす。

 その光の強さに、僕は目を開ける事が出来なかった。

 やがて、光が止むと魔法陣には人影があった。

 それも一人だけではなく、三人程あった。

「こ、これはっ⁉」

『あたしはイズン』

『わたくしはフレイヤ』

『わたしはシギュン』

『『『呼びかけ答え、ここにきたり』』』

 見目麗しい女神が三人も現れた。

 なぜ現れたのか分からず、僕はカドモスさんに訊く。

「カドモスさん、これは」

「迂闊でした。わたしがちゃんと言えばこんな事には・・・・・・」

「どうして、女神が三人も現れたのですか?」

「詠唱を区切らないで唱えると、その者の契約可能な神が全て現れるのです」

「それって、もしかしてかなり良いのでは?」

「その分、代償もかなり大きなものになりますので、余程の実力者でないかぎりはしません」

 カドモスさん頬に汗が流れる。

(だ、ダイジョブかな。ユエ)

 僕は友人が心配になった。

 しかし、ユエは微塵も恐れる様子がない。

『我、貴方方の力の一端を授かる事を願い、貴方様方を呼ばん』

 三人の女神はお互いを見て頷く。

 そして、代表してフレイヤが前に出た。

 長い金髪が幽体なのに良く分かるのが特徴だ。

『汝は、わたくし達の力の一端が欲しいの?』

「うむ」

『じゃあ、代償にわたくし達に何を渡す?』

「代償か、代償は・・・・・・・」

 ユエが少し考えている。

 どんな事を言うのか分からないが、僕は気になった事をカドモスさんに聞く。

「あの、契約する時に呼んだのはいけど、やっぱり止める事とか出来るのですか?」

「そんな事したものはおりませんし、もししたら、神は侮辱されたと思い殺されるかもしれません」

 それを聞いて、僕はハラハラしだした。

「よし、決まった。わたしが貴方方に与える代償は」

 僕達は生唾を飲んで、何を言うつもりなのか聴く。

 頼むから、神様を怒らせる事を言わないでくれよと僕は祈る。

「代償はわたしの血だ‼」

「「「「・・・・・・・・・・・」」」」

 皆それを聞いて唖然とした。

 カドモスさんも目を見開き口をポカンと開けた。

『・・・・・・面白いわね。良いわ。あなたの血を代償に、わたくし達はは契約を交わしてあげる」

 女神達の手が輝きだす。そして輝きが止んだ。

 ユエは少し顔色が悪い。それなりの血が代償に採られたようだ。

『契約は完了したわ。少し貧血になるくらいしかとってないから、少し休んだら大丈夫よ』

「か、感謝する」

 ユエはそう言って魔法陣から出て行く。

 魔法陣に居た女神達の姿も消えていった。

 魔法陣から出たユエは、膝をついて倒れた。

「ユエっ‼」

 僕はユエの元に行き、体を起こす。

「大丈夫?」

「あ、ああ、のぶ。もんだいない」

「いや、三柱の神様と契約して大丈夫なわけないだろう」

 それで大丈夫だったら、もう人間じゃない。

 ユエは苦笑した。

「おもいつきでやってみたが、これはかなりきついな」

「思い付きで行動するのは止めようっていつも言っているじゃないか」

「ふっふふ、すまない」

 ユエは僕の顔を見て、そして後ろを見て、勝ち誇った顔をする。

 誰かいるのかなと思い、首を向けるとマイちゃんと椎名さんが居た。

 二人共、悔しそうに顔を歪ませる。

(ふ、二人共、顔が怖いよ!)

 このままでは、二人に何かしてと言われそうだ。

 どうしようと思っていたら、カドモスさんが手を叩く。

「詠唱を区切らないで言いますと、今のような事がありますので注意してください。では。次の方」

 カドモスさんにそう言われて、次の人が魔法陣に入った。

(う~ん、ユエをこのままにしておくのは気まずいな。僕の番はまだ時間があるな。一応言ってみるか)

 僕はカドモスさんに訊いてみた。

「カドモスさん、ユエをこのままにしておくとまずいと思うので、何処かのベッドに横にさせてきても良いですか?」

「構いませんよ。横になりたいなら、この部屋を出て右に歩くと、健康管理室があります。そこにはベッドがありますので、そこに寝かせてきてあげなさい」

「はいっ、分かりました」

 僕は行く前に一応ユエを訊いてみた。

「ユエ、歩ける?」

「う~ん、ちょっとわからん」

「そう。じゃあ仕方がないな」

 僕はユエの足と腰に手を回して、横抱きにする。

「の、のぶっ?」

「いいから、体調が悪い人は安静にしてなよ」

 こちらの世界に来て体を鍛えたお蔭か、女性を横抱き出来るくらいの腕力を得ることが出来た。

「「あああああああああああっっっ‼」」

 うん? 何かマイちゃん達が叫んでいるけど、まぁいいや。

 今は、ユエを健康管理室に行くのが先決だ。

「~~~~~~~~♥」

 ユエは何も言わず、僕の首に腕を回して寄り掛かる。

「じゃあ、行くよ。ユエ」

「う、うむ。なるべくゆっくりな」

 僕は言われた通りにゆっくり歩き出す。


  ぼくはユエを横抱きにして、健康管理室に向かう。

「えっと、部屋を出て右に行くと、その部屋があると言っていたけど・・・・・・」

 言われた通りの道を進むと、消毒液特有の匂いが部屋の前に漂う。

 匂いからして、ここのようだ。

 入る前に、僕はドアのノックした。

「どなた?」

 中から、女性の声が聞こえてきた。

「体調が悪い人が居るので、少し横になって休ませても良いですか?」

「良いわよ。どうぞ」

 僕はドアを開ける為、ユエを力強く抱き締める。

 ユエは何も言わないが、嬉しそうに抱き付く。

 その所為で、ユエの豊満な胸が押し付けられる。

「ち、ちょっと、ユエ、あたってる。当たってるから」

「何がだ?」

「ゆ、ユエのむ、むねが・・・・・・・」

 言ってて恥ずかしくなり、顔を赤くする。

「よいではないかよいではないか~」

 ユエはニヤニヤしながら胸を押し付けてくる。

(ううううう~、僕の反応を見て楽しんでるな?)

 その誘惑に耐えながら、僕はドアを開ける。

「し、しつれいします」

「はぁい、どなた?」

 部屋の中に居たのは、短い黒いタイトスカートに、ビスチェのように胸元が開いた服の上に白衣を着た妙齢の女性だった。

 ぽってりと膨らんだ唇。目鼻立ちした顔立ち。垂れた目の横にある泣き黒子。

 見ているだけで、劣情がわいてしまいそうだ。

 僕は自分でも分かるくらい顔がにやける。

「むっ・・・・・・・」

 ユエはそんな僕の顔を見て、頬を抓る。

「いはいはいはいあはい、いはいよ。ユエ」

「フン」

 ユエは頬を膨らませて、顔を背けてしまう。

「あらあら、中が良いわね。二人共」

「え、ええ、それなりに長い付き合いですから」

「貴方達は見ない顔ね。もしかして、異世界から来た人達?」

「ああ、分かりますか」

「そんな見慣れない服を着ていたらね。誰だってわかるわ」

「ですよね」

「それで、腕の中にいる子が体調悪いの?」

「はい、ちょっと魔法の契約をして貧血になったようで」

「貧血ね。そこにベッドがあるから、寝かせなさい」

「助かります。えっと・・・・・・」

「クレアよ。クレア・ローズクォーツよ」

「ありがとうございます。僕は猪田信康です。こっちが張月亮です」

「よろしく」

 ユエは頭をぺこりと下げる。

 僕はクレア先生に言われた所にある。ベッドにユエを運ぶ。

「ふぅ、調子はどう。ユエ?」

「少しよくなった」

「そう。本調子になるまで寝てなよ。動いちゃだめだからね」

「分ってる」

「じゃあ、僕は行くけど。先生の言う事は聞くんだよ」

「はいはい」

「先生、ユエをお願いします」

 僕は頭を下げてお願いする。

「分かったわ。貴方も魔法契約するのだから、もう行きなさい」

「はい」

 僕は部屋を出る。


 ******


 健康管理室を出た僕はゆっくりと歩きながら向かう。

(僕の番はまだだろうし、そんなに慌てないでいこう)

 歩きながら、僕は今まで契約の時に現れた神を見て思った。

 自分はどんな神が出て来るのだろうと。

(今まで出て来たのは主に北欧神話の神とギリシャ神話の神だ殆どだった。たぶん、僕が契約する時に出てくる神もそうだと思うけど)

 頼むから、変な神様が出てこないように祈る。

(マイちゃん達も変な神様と契約しないといいけど)

 どんな神が出て来るか分からないので、正直怖いな。

 でも、魔法を使えると思うと、その気持ちを上回るほどの楽しい。

(魔法を使えると思うと、楽しみで楽しみで叫びそうだっ)

 まぁ、こんな所で叫んだら変な人と思われるのでしないけどね。

 僕は色々と考えながら、部屋に入った。

 そして入るなり驚きで言葉を失った。

 だって、椎名さんが魔法陣の中に入っているのだから。

 いや魔法契約するのだから、魔法陣の中に入っているのは良いんだ。

 でも、魔法陣の中にいる神様達が三人も居るので驚いている。

(どうして、魔法陣の中に神が三柱も居るのっ⁉)

 僕は叫びそうになったが、自制する。

 息を深く吸って落ち着かせる。

(落ち着け、落ち着け。冷静に、冷静にならないと駄目だ)

 十分に落ち着いて、冷静になったので僕はカドモスさんを探す。

 カドモスさんは魔法陣の近くに居たので、直ぐに見つかった。

「カドモスさん‼ これはいったい?」

「おお、イノータ殿。実は椎名殿が魔法陣に入るなり、契約の詠唱を区切らないで言いまして」

「何で、こんな事に⁉」

「わたしにもさっぱりです」

 ともかく、今は椎名さんだ。

 どこまでいったのだろうか?

「カドモスさん」

「彼女はもう女神たちに代償を払う所までいきました」

 もう、そこまで!

 椎名さんはどんな代償を払うのだろう。

「代償は、わたしの血よ」

 椎名さんっ‼

 あなた、何を言っているんですか⁉

 神様達も何か相談してるし。

 というか、魔法陣にいる神は全員女性だ。胸が膨らんでいるから間違いない。

 相談が終ったのか、女神の一人が前に出る。

『よかろう、汝の血を代償に我らの力の一端を授けん』

 女神たちの手が輝きだした。

 その輝きが止むと、女神たちの姿が揺らめきだした。

『契約はなされた。後は、汝次第だ。我らが与えた力を好きに使うがよい』

 女神がそう言って消えた。

 椎名さんは笑顔で魔法陣から出る。

「し、椎名さん・・・・・・」

 僕が声を掛けると、それで椎名さんが気付いたようだ。

 笑顔で僕の元までくる。

「猪田君、張さんの具合はどうだった?」

「少し休んだら、元気になると思うよ」

「・・・・・・そうなんだ」

「それよりも、椎名さん」

「なに?」

「どうして、三柱の女神と契約したの?」

「そんなの決まっているじゃない。張さんもしたんだから、わたしも出来ると思ったの」

「思ったのって、それでするののもどうかと思うよ」

 苦言を呈すると、椎名さんは泣きそうな顔をしだした。

「・・・・・・張さんは良くて、わたしは駄目なの?」

「いや、そうゆうわけじゃあ」

「そう言うって事は、そうなんでしょう」

「僕は椎名さんの事を思って言っただけで」

「それは嬉しいよ。でも、わたしにも意地があるから」

「い、意地?」

「うん。わたしもこれくらいしないと、駄目だろうし」

 駄目?

 意味が分からない。

 僕は意味を聞こうとしたら、視界の端にマイちゃんが魔法陣に入るのを見た。

 僕はマイちゃんの方に顔を向けて、祈った。

(頼むから、言われた通りに詠唱してくれ!)

 祈っていたら、マイちゃんが僕を見て笑顔を浮かべる。

 その顔を見て、僕は愕然とした。

(あの顔は、何かよからぬ事を考えている顔だ)

 伊達に、幼なじみをしている訳では無い。笑顔を一つで何を考えているか分かる。

 僕は待ってと言おうとしたが、遅かった。

『我、此処に万物の力を希う。遍く力よ。我が求めに応じて、此処、御成りあそばせたまえ』

 あああああああああっ⁉

 本当にするとは・・・・・・。

 僕は項垂れた。

 そうしている間も、魔法陣が輝く。

 やがて、輝きが止むと魔法陣には三柱の女神がいる。

『我はモリガン』

『我はヴァハ』

『我はバズヴ』

『『『呼びかけ答え、ここにきたり』』』

 女神達は青い肌に腰まで伸ばした黒い髪をという顔や、着ている服まで同じだった。

 恐らく姉妹神という奴だ。

『我、貴方方の力の一端を授かる事を願い、貴方様方を呼ばん』

 マイちゃんは少しも恐れる事無く、契約の詠唱を唱える。

 三柱の女神は、黙ってマイちゃんを見る。

『汝、契約の前に我らの問いに応えよ』

「問い?」

『左様、我らの問いに応えれることが出来たら、契約を交わそう』

『無論、代償はない』

「ほ、本当に?」

『嘘はつかない事を、我らの名で誓おう』

 マイちゃんは生唾を飲む。

「わ、分った。その問いに答えてあげる」

「さ、サナダ殿、どんな問いをされるか分からないのです。ここは冷静に」

 カドモスさんが横から声を掛けるが、マイちゃんは聞く耳を持っていない。

「さぁ、どんな問いでも来なさいっ」

 マイちゃんは胸をドンと叩く。

『では、問おう』

『汝、己が命と同じ位大切な者は居るか?」

「た、大切な人?」

『左様、居るのか?』

「それは・・・・・・」

 マイちゃんが僕をちらりと見る。

『その者が、汝の大切な者か?』

 わっ、何か良く分からないけど、神様達が僕を注視してきた。

 僕はその視線を浴びて、身を縮こませる。

 椎名さんが僕の前に出る。

 まるで、女神から僕を守るようだ。

『・・・・・・成程、汝が気に入る理由が分かるぞ』

『そなた、名は?』

「僕ですか? 僕は猪田信康です」

『イノータ・ノブヤスか、その者、魔法陣に入れ』

「「「「えっ⁉」」」

 女神の言葉に皆耳を疑う。

「あの、すいません。もう一度言って貰えませんか?」

『耳が悪いのか? 魔法陣の中に入れと言ったのだ』

 何で? と思うがここは女神を怒らせないようした方がいいようだ。

 カドモスさんを見ると、無言で頷いてくれた。

 僕はしぶしぶ、魔法陣の中に入る。

 入ると、女神さまの口が開く。

『我らが汝らに契約を交わす条件は一つ』

『我らが求める物を差し出せ』

『されば、契約を交わそう』

「「その条件は?」」

 僕達はハモりながら訊いた。

『条件は汝らの二人の力を合わせて、一羽の鳥と戦え』

「「鳥?」」

 トリって普通の鳥なのだろうか?

「それって、普通の鳥?」

『否。黒き羽を持ち、三足の烏なり』

「烏ですか」

 つまり、魔法契約をしたかったら、三足の烏と戦って力を見せろと言う事か。

「その烏は何処にいるのですか?」

『明日、太陽が頂点に差し掛かった時に、汝らの元につかわそう』

『その戦い方次第で契約を交わそう』

『勇気ある戦いを期待する』

 そう言って女神達の姿が消えた。


  女神達が消えると、僕は安堵の息を漏らした。

「た、助かった~」

「ホントだねぇ」

 他人事のように言うマイちゃん。

 流石に苦言を呈する。

「マイちゃん、どんな代償を払うか分からないのに、こんな事するのは止めようよ」

「ええ~、ユエや椎名さんもしたんだから、あたしも良いでしょ」

「良くないから言ってるの。もし、マイちゃんに何かあったら、......」

「え、ノッ君、もしかして......あたしの事」

「おじさんとおばさんに何って言えばいいのさっ!」

 ズゴッ‼

 うん? 何で皆ずっこけるの?

 マイちゃんは無表情になってるし。

「ああ、やっぱりね。わかってたけど、わかってたけどさ......」

 マイちゃん、何かブツブツ言いながら、部屋の隅に行ってしまった。

「コホン。では、次の方、どうぞ」

 カドモスさんが変な空気になった場を変えるため、咳払いをして空気を変える。

「次は俺か」

 そう言ったのは、西園寺君だ。

 西園寺君は魔法陣の中に入り、最初教えられた通りに契約の詠唱を唱えた。

 魔法陣が輝きだした。その輝きが止むと、男性が一人いた。

『我はアレスなり、呼び掛けに応じて参った』

 おおおおおッ‼ 周りが歓声をあげる。

 西園寺君は契約の詠唱を言おうとしたら、アレスは手を突き出した。

『我と契約できる者がもう一人いるな、ついでにしてやろう』

 アレスがそう言うので、まだ契約を交わして居ない人達は互いの顔を見る。

 騒ぐなか、アレスは指差しす。

『汝だ』

 指差されたのは、天城君だ。

「俺?」

 アレスは頷いた。

「アマギ殿、どうぞ」

 カドモスさんに促され、天城君はしぶしぶ魔法陣に向かう。

 二人は互いを睨み付けながら、契約の詠唱を唱えた。

 アレスは代償は何だと訊くと、二人は信仰をと言う。アレスは頷いたので、契約はなった。

 アレスは手を翳すと、光だした。

 その輝きが止むと、アレスは消えていた。

 魔法陣から出た二人にどんな魔法が使えるのと聞いたら、二人は口を揃えて『炎魔法と風魔法と闇魔法と雷魔法』と言う。

 ハモるように言ったので、二人は睨み合う。

 僕は二人を宥める。

 そうしている間に、他の人達の契約は終わった。皆、魔法を使える事を喜んでいた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ