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第93話 喧嘩するほど仲が良いというべきかな?

 リリムと椎名さんの戦闘が激しくなってきたので、僕は洞窟の外に出る事にした。

 外に出ると、皆が出迎えてくれた。

「りういいいいいいぃぃぃぃぃ⁈」

 ティナが泣きながら僕に突撃して来た。

 ほぼ、同じ身長なので当然の結果だ。

 ゴツン!

「「~~~~~~……」」

 僕達は額を抑えて悶えた。

 周りの人達はそれを見て呆れていた。

「何をしているの。貴方は」

 ソフィーが溜め息をつきながら濡れたタオルを二つ持って僕とティナの赤くなった額に当てる。

「あ、ありがどう。があざん」

「うう~、たすかる」

 冷たいタオルが痛い所を冷やしてくれて気持ち良いな。

「リウイ様。よくぞ御無事でリリムはどうしたのですか?」

 僕は返答代わりに洞窟を指差した。

 その洞窟から戦闘音が聞こえて来たので、ソフィーは何が起こっているのか察した。

「増援を出しましょうか?」

「いや、下手に人員を送り込んでも連携が取れるか分からないから、此処は様子見しよう」

 と言うか。あの二人戦いながら「この腹黒悪趣味女め。地獄に送ってやるっ」「それは自分の事でしょう。この邪魔だけするのが得意な二色の羽女」と口論している。

 時折「わたしの方が先に猪田君と知り合ったんだ。お前なんかに渡すものかっ」とか「それはこちらの台詞。お前に渡すくらいなら、わたしだけしか居ない所で一生監禁する」という一部危ない発言をしていた。内容よりも、二人して僕の前世の名前を言っているので誰かに聞かれると面倒な事になるのは必定。

 なので、此処は静かになるまで放っておくのが一番だ。うん。

「戦闘が終るまで、此処で待機しよう」

「分かりました」

 ソフィーが頭を下げると、僕の命令を伝えるべく離れた。

「良いの?」

「リリムなら負けないだろう。多分」

 問題なのは殺し合いにならないかどうかだ。

「……むぅ」

 何故か唇を尖らせるティナ。

「何か、リウイがリリムの事を信頼しているのが気になる」

「気になるって」

「この前、仕える様になったばかりなのにどうしてそんなに信頼できるの?」

「え、えっと」

 僕の前世からの部下ですと言っても信じてもらえないだろうな。どう言ったものか。

「やっぱり、リウイは胸が大きい女性なら無条件に信頼するの?」

「なんでやねん」

 思わずティナにツッコミをしてしまった。別に大阪人ではないのだけど。

 その後は戦闘音を聞きながら休みを取っていた。金属や爆発音などが聞こえる以外は特に問題ない感じであった。ただ、一部の人達はその戦闘音を聞いてウズウズしていた。

 その姿を見てそんなに古龍と戦いたいのと思った。


 数時間後。


 戦闘音が止んだので、僕はリッシュモンドを連れて洞窟の中に入って行く。

 一部の人達は連れて行かない事に文句を言っていたが無視だ無視。

 そうして奥へと入って行くと。戦闘が行われていた場所に出た。見事にあちらこちらに切り裂かれたり焦げたたりしていた。

 その場所の丁度真ん中にリリム達が肩で息をしつつ、持っている武器を杖にして立ちながら睨み合っていた。

「この…あいてにもされない、とりおんなめ……」

「おいかけても、おいかけてもにげられるきしょくわるいおんなが、なにいう……」

 疲労困憊なのに相手に悪態をつくのを止めないとは、君達実は仲が良いの?

「ああ、こほん。そろそろ話をしても良いかな?」

 僕が話しかけると二人は凄い形相で僕を見たが、直ぐに僕だと分かると一転して笑顔を浮かべた。

「なに、りういくん」

「りういさま、はなしをするのであれば、あとごせんぽほどはなれたほうがいいとおもいます。……でないと、このもののどくががおんみにおそうかと……」

 それを聞いた椎名さんは武器を構えだした。リリムも武器を構えた。

「はいはい。別に戦闘しにきたわけじゃあないんだから落ち着いて」

 僕が手を叩くと、二人は同じタイミングで顔を背けた

 やっぱり、仲が良いんだな。

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