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第88話 ヤバイな

 レグルス達を連れて戻すだけなので、僕とリリムだけで行く。

 あまり大人数で行動すると、山に棲んでいるという古龍を刺激するかもしれないと思って二人だけで行く事にした。

「しかし、この魔剣は使い物になるのですか? いえ、別にリウイ様の物を見る目を疑っている訳ではないのです。ですが、一度もその力を見た事が無いので本当に使えるのかどうか分からないと思いまして」

『よく舌が回る事だ。そんなに囀りたくば小鳥とでも話せば良かろう。剣とは必要な時に振るうのだ。悪戯にその力を見せるはただの阿呆よ。我ぐらいの魔剣となると振るわずとも真価を発揮するのだ。まぁ、貴様のような見る目のない者に言っても無駄だろうがな』

「あらあら、魔剣如きがよく言う事。所詮は誰かの手を借りないと何もできない物体が、よくもまぁ、それだけ自信満々でいられますね」

『貴様こそ。本当に強いのか? うん? 実は口が達者なだけで本当はスライムすら倒せないという事はないだろうな?』

 山登りの最中、この二人はずっとこんな感じであった。

 聞いているこっちからしたらいい加減にしてくれと思う。

 一度「頼むから静かにして」と言うと、今度は怒られた責任の擦り付け合いをしだした。

 これは言っても無駄だと悟り、もう注意も何も言わない事にした。

 しかし、この二人。山登りする前からこんな感じで口喧嘩を続けれるなんて、ある意味仲が良いのか?

 二人の口喧嘩を聞きながら山を登っていると、でかい洞穴が見えた。

「かなり大きいな」

「洞穴の中から膨大な魔力を感じます。恐らくですが。此処が古龍の住処だと思われます」

「だよね」

『うん? リウイよ。あそこを見ろ』

「何処?」

『お主の右斜め前だ』

 そう言われてそちらに目を向けると足跡があった。

 数は一、二、三、四、五っと。これはレグルス達で確定だな。

「どうやら、あの者達はあの洞穴の中に入って行ったようです」

「これはまずいな」

 当初の予定では五人が洞穴に入る前に合流してやんわりと止める様に説得して下山するという考えだったのだが、これでは予定通りにいけないな。

「どうしますか?」

「……洞穴に中に入ろうか」

「分かりました。不肖リリム。御身をお守りします」

 胸を叩くリリム。

 僕はこくりと頷き洞穴の中に入って行った。


 洞穴の中に入ると、天井がかなり高い事が分かる。

 龍が出入りするからか広くなったのか、それとも元々こんな広さを持った洞穴なのか。

 気になるが。今はレグルス達を探す事としよう。

「今の所道は一つしかないようですね」

「という事は注意した方が良いな」

 道が一本しかないという事は、罠が張り巡らされている可能性があるかな。

 注意しつつ歩いていると。

「GYAOOOOOOOOOOOOOOOOOO‼」

 奥から龍の咆哮が聞こえて来た。

「リウイ様っ」

「急ごうっ」

 僕達は駈け出した。間に合ってくれと祈りながら。

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