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第78話 せめて心の準備ぐらいはさせてくれないかな

「まさか、こうして会えるとはな。てっきりどこぞの戦場でくたばっていると思っていたぞ」

「わたしがそう簡単にくたばる訳ないでしょう。伊達に長い間生きていた訳ではないのですから」

「ふん。つくづく思うぞ。どうして、貴様のような女がノブの部下になれたのか」

「それこそあの方の器量でしょう。まぁ、貴女みたいに腹が黒いわけではないのですから」

「人の事は言えんと思うがな。お前こそ陰で色々な事をしていただろうが」

「わたしはあの方の為にしていただけよ」

「それは、わたしも同じだ。まぁ、お前には理解できまいノブとわたしとの付き合いは、お前よりも長くそして深い仲なのだからな」

「「…………」」

 睨み合う二人。

 このままだと戦闘になるかも。

「リウイ。何とかしなさいよっ」

「何とかと言われても」

 僕の首元を掴んで揺らすティナ。

 どうと言われてもな。ティナが居なかったらすんなりといくのだけど。ティナを追い出そうとしたら不審に思うだろうしな。

 さて、どうしたものかと頭を悩ませていると。

『ユエ~。何か凄い殺気が感じているのだけど、何かあったの?』

 ドアの向こうからそんな声が聞こえて来た。

 その声を聞いて僕は思わずドアの方に駈け出した。

 そして、ドアを開けてドアの前に居る人を見る。

「あれ、君だれ?」

 ドアの前に居たのはマイちゃんだった。

 最後にあった時と寸分変わらない顔付きと身体。何処からどう見てもマイちゃんだった。

 思わず、マイちゃんと言いそうになったが何とか堪えた。

 もし言えば、ティナが混乱するだろうし、マイちゃんも意味が分からず混乱するだろう。

 なので、此処は敢えて知らない人のフリをするのが良いだろう。

「……あの、貴女は誰ですか?」

「わたし? わたしはね」

「おやおや、そちらにおられるのは独立遊撃紅蓮傭兵騎士団という傭兵部隊を作り上げた山猿の大将さんではないですか。お久しぶりですね」

 僕の後ろからリリムの声が聞こえたので振り返ると、其処にリリムが居た。

「むっ。そういうあんたは十傑衆の中で唯一の女性とか言われていたけど、誰も女性扱いされなかったリリムじゃない。どうして此処にいるの?」

 ああ、そう言えば。リリムはマイちゃんとも馬が合わないんだよな。

 不思議な事に村松さんとは何故か気が合っていた。

 ちなみに椎名さんとの相性は最悪だ。マイちゃん達みたいに会った瞬間、嫌味を言い合うのではなく、殺し合いに発展する。

 最初に会った時が悪かったからか。二人が顔を合わせた途端、無言で威嚇しあっていた。

「なに、もしかしてノッ君の事を忘れて新しい恋にでも目覚めたの。その相手がこの子? ぷっ、おしあわせに~」

「ふっ。貴女もそろそろ新しい恋に目覚めたら如何ですか? まぁ、貴女みたいに行き遅れを貰う物好きが居ると思いませんけどね」

「それはあんたも同じでしょうが⁉」

「そう思うのは貴女だけですよ。ねぇ、リウイ様」

 リリムは抱き付いてきた。

 せ、せなかに柔らかい物が当たって顔がにやけそうだ。

 そう思っていると足に激痛が走った。

「ぎゃあああっ」

「あっ、ごめん。いたかったっ?」

 と言いつつ、僕の足を体重掛けながら踏むティナ。

 何で、こうなるかな?

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