閑話 前世を知る者2
リッシュモンド視点です
「では、失礼する」
わたしは先程まで話をしていたカーミラの部屋を出た。
歩きながら先程の会話を思い出す。
『リウイ様のご加減が悪いのだが心当たりはないだろうか?』
部屋に入ったわたしは部屋の主のカーミラに訊ねた。
『……正直に言って分からないわ。観光名所である『歴代公王の名言の壁』という所に行ってから調子を崩しているのだから』
『『歴代公王の名言の壁』?』
『ええ、其処に行ってから調子が悪いようなの』
『ふむ』
それを聞いて何が理由なのか分からなかった。
リウイ様の前世に当たるイノータ様がお亡くなりになり、わたしは公爵家を辞した。
その後は魔国が向かった島に向かった。
元々、わたしは其処の島で生まれたので里帰りをしたようなものだ。
なので、今の公国に何があるのか全く分からない。
こんな事なら事前に何があるのか調べておけばよかったと思えた。
事情が分からないので、カーミラの部屋を出たわたしはどうしたものかと頭を悩ませた。
ディアーネいやこの場合はユエリャンに来てもらうしかないかもしれない。
リウイ様の前世の幼なじみで今のリウイ様とも親しくしている。
なので、リウイ様の調子が悪い原因も分かっているだろう。
「歯がゆいな。原因さえ分ればどうにでも出来るものを」
口に出しながらも詮無き事だと思う。
「こういう時、あ奴が居れいばよいのにな」
イノータ様配下の十傑衆で唯一の女性である『踊る牙』ことリリム。
天人族と魔人族との間に出来た混血。その為か両種族の翼を持っている。
詳しくは聞いてないが、かなり濃厚な人生を送ったそうだ。
本人曰く、身体を売る以外は何でもしたと言っていた。
彼女が偶々、当時はイノータ様が男爵だった時に公募した傭兵としてイノータ様の下に来た。
本人は路銀に困らない程度の稼ぎが出来たらいいという考えで来たそうだ。
だが、何時の間にかイノータ様に狂信する様になった。
内政も軍事も抜群の手腕を持っていたのでイノータ様は重用していた。
仕事が忙しくない時はイノータ様の世話をしたり色々と相談に乗ったりしていたので、かなり信頼されていたようだ。
わたしも相談はされるが頻度で言えばリリムの方が多い。
その事については如何とは思わない。死人のわたしよりも女性のリリムに相談する方が良いと思うのが自然な事だからだ。
「ふぅ、未だ生きている十傑衆は今頃何をしているのやら」
『神弓』は何処に居るかも不明。ボルフォレから『雷電』と『槍聖』は傭兵としてこの大陸で活動している聞いている。魔国を出立する前に、ボルフォレが二人宛てに手紙を出したと言っていたが、何とか書いたのか聞いていないが、あ奴は時々とんでもない事をするからな。
何事も起こらなければいいが。




