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第70話 これは前世の父さん達が生きていたら自慢できるな

 劇場のリストを見た衝撃が抜けきらない中、僕達は『歴代公王の名言の壁』という所い向かう。

 流石に歴代の公王って言うぐらいだから僕の息子や孫の言葉もあるだろう。

 そう思う。というかそう思わないとこれ以上、何か恥ずかしい事を書かれていたら、聖杯でも求めないといけないかもしれないな。

 まぁ、そんな事はないだろう。はっははは。

「着いたわね」

「此処が『歴代公王の名言の壁』ですか」

「人が多いわね」

「さすがは観光名所ね」

 壁を見ている人達が多いので中々壁に到達できない。

 ここまで来たのだ。せめて壁になんて書かれているか見ておかないとな。

 僕達は人波を避けたり通り抜けたりして壁へと向かう。

「もう、こんなに多いと胸が当たりそうね」

「本当ですね」

「ふぅ、大きいというのはこういう時に困るわ」

 カーミラとアマルティアとソフィーは胸が人に当たらない様に注意しながら歩く。

 動いているので、どうしても胸が揺れる。

「「「…………ゴクッ」」」

 周りの人達というか男性はその揺れを見て唾を飲み込んだ。

「………………」

 ティナは三人の胸が揺れているのを見て、目の光を無くしていた。

 これは下手に口出したら駄目だと長年の経験で分かる。

 なので、此処は無視して壁へと向かう。

 ようやく、壁の文字が見れる所に着いた時はちょっと疲れていた。

「ふぅ、ようやく着いた」

「壁を見る為にこんなに疲れるとは思わなかったわ」

「同感だね」

 ティナと愚痴りながらその壁を見る。

 自分は後回しにして息子はどんな事を言ったのだろう。

 其処が気になってみる。

「ええっと。二代目公王だからイエヤスでいいんだよな。イエヤスイエヤスイエヤス。……あった」

 口でブツブツ言いながら探すなんてちょっとヤバい人と思うけどまあいいや。

「何々『よく出来た二代目』『最上の治世』『賢君』『賢者の子は賢者』か。色々な事を言われているな」

 内心、ちょっと嬉しいな。一度も見た事が無い子供がそう言われるのは悪くないな。

「で、残した言葉は『わたしは。父に及ばない凡君だ』か」

「こっちは『父よ。わたしは貴方を越えるのは難しいようだ』とか『父上。どうかこの凡庸な息子のわたしにお力を』か。何か凄いお父さんに劣等感を持った言葉を残しているのね」

「うん。そうだね」

 まぁ、気持ちは分かる。創業よりも継続が難しいって言われているからな。

 僕に仕えた部下達がそのまま仕えている筈だから、これはかなり比較されただろうな。

 そんな中でこうして公爵家の家を残したんだからすごい事だ。

 一度も会った事はないけど立派な子だったんだろうな。

 まさに自慢の息子だ。会った事はないけど。

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