第49話 祭りの準備
翌日。
皆を談話室に集めて『海神祭』に参加する事を皆に告げた。
「という訳で、今日は祭りの準備為、店はお休みにします」
僕がそう言うと、皆久しぶりの休みに喜んでいた。
だが、ただで休ませるつもりはないんだな。
「で、その休みを利用して、各自、今夜までに祭りで売りたい物を僕に言う事」
皆、それを聞くなり「ええええええ」という悲鳴のような声をあげる。
まぁ、商品の開発は僕がしていたので、いきなり言われても無理だよな。
と言っても、僕ばかり考えた物で祭りをしても面白くない。なので、此処は皆が売りたい物で参加する方が良いと思う。
「いつもは、リウイが考えているのに、今回はわたし達も考えるのか」
「ええ、そんなの頭が良い人にやらせたらいいじゃん」
「そうだそうだ~」
一部が不満を言うが耳にも留めない。
「これは決定事項だから、何を言っても聞かないよ」
そして皆を解散させる。
「ああ、ソフィー。手紙の方はどう?」
「・・・・・・」
「ソフィー?」
「あっ、失礼しました。リウイ様。何か御用でしょうか?」
「うん。手紙の方はどうなっているのかな?」
「そちらでしたら、既に清書を済ませて、リウイ様に見てもらい変な所がなければ、商業ギルドに出します」
「分かった。じゃあ、今持って来てくれるかな」
「畏まりました」
ソフィーは一礼してその場を離れた。
「ふむ。何か調子悪そうだな」
そんなに激務続きだったかな?
まぁ、今日は休みだから休めば問題ないか。
それよりも、皆、どんな商品を考えるのか楽しみだな。
「さて、僕も何を作るか考えるか」
前世で参加した祭りの事を思い出しながら、僕はこの時期にあった物を、この都市で採れる物に合わせて考えた。




