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第31話 やれやれ、ちょっと散策していただけなのに

 デネボラ達と出掛けた僕は、まずは西区に行く事にした。

 西区は観光などがある娯楽施設が多くあると訊いたからだ。

 思い出作りをするというのであれば、そういう所い行った方が良い。

 そう思いながら雑談を交えながら、道を歩いていたらあッという間に西区に着いた。

「此処から西区か」

 区の中に入ると、デデン! という音が出そうな位に大きなドーム状の建物が目に入った。

 何の施設だ。

「ええっと、シーライダー場?」

 建物に掛かっている看板を見るとそう書かれていた。

 ライダーという事は騎手だよな。シーは海だから、海の騎手か。

 ふむ。言葉から察して、此処は公営競技場という所だな。

 海に近いから出来る競技場だな。

「ここは何をする所かしら?」

 シェムハザは森育ちだからなこういう所に縁はないようだから分からないか。

「あそこにいる受付の人に訊いたら分かると思うよ」

 何となく察しているけど、此処は知らないフリをしていよう。

「そうね。そうしましょう」

 僕達は受付の人がいるカウンターに向かう。

「こんにちは~」

 まずは、僕が挨拶すると、受付の人は笑顔を向けてくれた。

「こんにちは。何か御用ですか?」

「僕達、この都市に来たばかりなので、此処がどういう所か分からないので、教えてください」

「良いですよ。此処は海棲の魔物の背に乗ってレースをする所よ」

 やっぱり、公営競技場だったか。予想通りだな。

「海棲でレースという事はあまり巨大だと駄目ですね」

「そうですね。この施設の入りきれるサイズでなければ、レースをする事も出来ませんし」

 苦笑する受付さん。

「でも、サイズが大丈夫でも肉食で獰猛な種類ですと、レースよりも人を襲う危険があるので、そういうの種類の魔物もレースには参加できませんよ、ちなみに、参加には年齢制限はあります」

「何歳ですか?」

「十五歳以上です」 

 凶暴じゃなくてそれほど大きくないサイズの海棲の魔物を持っていて、十五歳以上なら誰でも参加可能か。海に近いから出来る娯楽施設だな。

「レースを見てみる?」

「別にそこまで興味はないわ」

「そうね。これって競技でしょう。興味が湧くかどうか分からないものを見てもね」

 二人は入る気配なしか。じゃあ、次の場所に行くか」

「ありがとうございました」

 僕は受付の人に一礼して、その場を離れた。

 

 

 シーライダー場を離れた僕達は、そのまま次の場所に移動した。

 と言っても、どうやらこの区はこのシーライダー場を目玉にしている所為か、店は飲食店か観光土産を売っている店しかない。

 後は露店が幾つもあるようだ。

 まだ、お腹は空いていないので冷やかしで悪いけど、露店を歩き回る事にした。

「う~ん。これといった物がないわね」

「そうね。でもお土産には良いかもしれないわね」

 そうかな。それなりに良い出来だと思うのだけど。

 って、考えてみれば、この二人って故郷では良い所の御姫様なんだよな。だから、そういう装飾品は見慣れているのか。

 う~ん。これが目が肥えているというのか。勉強になるな。

 露店を歩いていると、直ぐ傍の道に馬車が進んでいた。

 引いている馬型の魔獣の体格は立派だけど、何かゴテゴテとした金の装飾で飾られている馬車だな。

 あんな悪趣味な装飾をした馬車に乗る人何か居るのか。

 しかも、馬車に並走するかのように護衛なのか、装備がバラバラの男の人達が馬の魔獣に乗っていた。

 護衛が付いているという事は、貴族か商人か。

 まぁ、僕には関係ないか。

 馬車が僕達を通り過ぎて、少し進むと止まった。

 護衛の一人が馬車に近付いて、何か話している。

 あっ、話が終るとこっちに来た。

「おい。坊主。良いか」

「はい。何でしょうか?」

 う~ん。なんとなくだけど、展開が読めるな。

「あの馬車に乗っている方が、お前さんの連れの二人と話がしたいそうだ」


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