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第18話 言っていた意味がよく分かった

 その日は僕と『義死鬼八束脛』の幹部の人達の顔見せをして、少し雑談をした。

 幹部の人達は、母さんが今どういう生活をしているのか気になっているのか教えた。

 すると、幹部の人達は「どうやって妻にしたんだろうな?」とか「縛って、無理矢理襲った?」とか言い出した。

 僕も馴れ初めは聞いてないので分からないと答えた。

 その後は、一緒に昼食を取った。

 山の様に盛られた料理を、瞬く間に食べるのを見ていると、前世で見た大食い番組を思い出すな。

 出て来る人達、皆個性的だったな。

「うん? どうかしまいたかい。若」

 ダイゴクが食べる手を止めて訊ねてきた。

「いや、何でもない。ああ、そう言えば」

「何ですか?」

「母さんが少食だって事は知っているんだよね」

 僕がそう言うと、皆食べる手を止めた。

「ああ、そうですね。姐さんってあのガタイで食べる量少ないんですよね~」

 ダイゴクは遠い目をしていた。

 そうなのだ。母さんはあの見た目で、食べる量があまりに少ない。

 一緒に食事して、母さんの前に置かれたのが、拳大程度の大きさの肉の塊一つとパンと酒だけ。

 これだけでよく足りるなと見ていて思った。

「そうだな。姐さん。少食だけど、味に五月蠅かったな」

「言えてるな。前に小山位の大きさの魔獣を仕留めて、その肉があまりに美味しいから、結構な量を食べていたけど、次の日、寝込んでいた事もあったな」

 へぇ、そんな事があったんだ。

「他には?」

「そうですね。後は」

 僕は母さんの恥ずかしい話を聞いた。

 その後は終始、和やかな食事会となった。


 翌日。


 ダイゴク達と顔見せが終った。

 残りの幹部達も数日中には、この都市に来るそうなので、それを待つ事にする。

 残りの人達は女生と聞いているので、どんな人達なのだろう。会うのが楽しみだ

 ウキウキしながら開店準備を続けていると、店のドアがノックされた。

「誰だろう?」

「まだ、開店準備中よ。放っておきなさい」

 一緒に準備しているカーミラがそう言うので、準備を続けようとしたら。

 また、ドアがノックされた。

 仕方がないので、此処はまだ開店準備中と言って帰ってもらおう。

 僕は手を止めてドアに向かった。

 ドアを開けると、其処には動き易いパンツルックの人が居た。

 凛々しい顔立ちで、額の所に小さい角が生えている。

 それなりに発育した胸があるので女性の様だ。スラリとした腰。キュッと引き締まった尻。

 何か、宝塚に居そうな人だな。

「あの。何か御用で……んむっ」

 何かいきなり、抱きしめられた。

「んふふ・・・・・・可愛いね。君」

 ちょ、いきなり、何を⁉

「あら、目の前で浮気かしら?」

 ひいいいっ、何か背後から冷たい殺気を感じる。

「まさか、姉様の子供がこんなに可愛いなんて、ふふ、流石に予想も出来ないな」

 姉様? 誰ですか?

 そう尋ねようとしたら、何か走る足音が聞こえて来た。

「しまった。遅かったかっ!」

 この声はダイゴクだ。

「ダイゴク。この人は?」

 顔は胸が押し付けられているので、ダイゴクの顔が見えないが、とりあえず訊ねた。

「ああ、えっと、その。昨日、話した五番隊隊長の話を覚えておいでで?」

「勿論。って、事は」

「お察しの通りです。今、若を抱きしめているのが、『義死鬼八束脛』五番隊隊長アオイと申します」

「ふふ、よろしく」

 頭の上から、鈴が鳴る様な声が聞こえて来た。

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