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第17話 お互いに自己紹介しよう

「・・・・・・ダイゴク。この子が姐さんの子か?」

 鬼人族の人が僕を見るなり、ダイゴクに訊ねた。

「おう。正真正銘、姐さんの子だ。間違いない」

 ダイゴクは胸を張って言う。

「……似てるか?」

「う~ん。あまり似てない様な気がするが」

 竜人族の人が隣に座っている魔人族の人に訊ねるが、魔人族の人は首を傾げていた。

「・・・・・・」

 獣人族の人は僕を見ても何も言わない。

「こら、お前等! 若の前で失礼だろうが!」

 ダイゴクは怒鳴るが、これは仕方がない。

「こればっかしはな。母さんと僕を知っている人は皆言うから気にしないでいいよ」

「しかし、若」

「まあまあ、それで紹介をしてくれるとありがたいのですが」

「おっと、これは失礼。じゃあ、順に説明していきますね」

 ダイゴクが手で最初に指差したのは、魔人族の人だった。

「まずは、こいつ。『義死鬼八束脛』三番隊隊長のベリアルです」

「初めまして」

 頭を下げるベリアルを僕はジッと見る。

 額の所に二本の黒い角が生えておて、後は強膜の所が黒い以外は、美しい青年だ。

 筋肉質な体つきでは無いから、魔法か知略を武器にする人と見た。

「次に、四番隊隊長のロボオルグです」

「……」

 紹介されたロボオルグは何も言わず、僕を見る。

「ああ、こいつ。凄い無口なんで、気にしないで下さい。付き合いが長いあっしらもこいつの声を聞く事は滅多にないので」

「そうなんだ」

 この人。狼の獣人だけど、黒い体毛だからか、頭の所に小さいけど黒い角がある。

「この人、もしかして合いの子?」

 混血と言ったら失礼だと思い、こう尋ねた。

 すると、ピクと目が動いた。

「その通りです。ロボオルグは狼の獣人と鬼人族のハーフですよ。よく分かりましたね。狼の獣人の中には、角が生えている種も居るというのに」

 そういう獣人も魔国でも見かけた事があるけど、そういう種の角は何というか、角に節目があるんだよね。でも、このロボオルグの角は節目はないし、天に向かってピンと立っているから違うんだよね。

「次は、六番隊隊長のイクスと言います」

「お初にお目に掛かります」

 ハクは礼儀正しく挨拶した。

 赤い鱗の竜人の用だ。

 爬虫類特有の縦長の瞳孔が僕を見ている。

「最後に八番隊隊長のウラーです」

「……よろしく」

 紹介されたウラーはとりあえず手を挙げて挨拶して来た。

 赤銅色の肌。黒い髪の隙間から黄色い角が生えていた。

 厳つい顔付きだが、僕を本物かどうか気になって見てくる。

「こいつは、あっしが総長になった時に繰り上げで、隊長になった奴ですよ」

「そうなんだ。という事は、すっごい強いんだ」

「おうよ。『剛力』のウラーとは俺の事だからな」

 胸を手で叩きながら、がっはははと笑うウラー。

 その笑い方を見て、この人は一番扱いが分かりやすいなと思った。

「他には二番隊、五番隊、七番隊の隊長達とおります」

「皆、男性?」

「いえ、その三人は女性です」

「そうなんだ。どんな人達」

「う~ん。まぁ、会ってみたら分かると思いますよ。あああ、そうだ。その際にこれだけへは注意してくださいね」

「注意?」

「はい。五番隊隊長の奴に会う時は、くれぐれも、くれぐれも、一人で話す事などはしないようにして下さい」

「はぁ?」

 意味が分からず、僕は他の隊長達を見る。

 皆、同意とばかりに頷く。

「? どういう意味?」

「まぁ、その。若はその可憐な見た目ですので、あいつはその可憐なものが好きでして、はい」

 それって、つまり年下好き?

「年下好きなの?」

 まぁ、傭兵をしているのだから特殊な嗜好を持っている人がおてもおかしくないな。

「いえ、どちらかと言うと、年下というよりも、若ぐらいの身長の子が好きなんですよ」

「あ、ああ、そういう趣味ね」

 変わった趣味だな。その人。

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