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第12話 合流する手筈を整えるか

 ダイゴクさんに暫くこの都市に居てくれと言われたので、じゃあ、都市の外に居る人達も呼んでも良いかなと言うと。

「あっしは構わないと思いますけど。流石にこの都市の市長か偉い奴に何か一言言っておかないと、後々、面倒なことなると思いますよ」

「そうだな。この都市で偉い人と言うと」

 思い浮かぶのは、傭兵ギルドのギルドマスターのギムレットさんか。

「冒険者と傭兵ギルドに一言言っておけば、まぁ、大丈夫でしょう」

 へぇ、今の世じゃあ冒険者という職業もあるんだ。

「すいません。その冒険者というのは何ですか?」

「ああ、すいませんね。若達は知りませんよね。簡単に言いますと、宝探しと探索の仕事をするの者達を冒険者と言うんですよ」

「ふむふむ。それだったら、傭兵ギルドと同じ仕事じゃない?」

 傭兵って、こっちの世界だと戦場で活躍するだけではなく何でも屋みたいな感じな扱いだった筈だ。

「そうですね。若にも簡単に言いますと、冒険者も傭兵も同じ仕事を仕事をしますけど、一つだけ違う所があるんですよ」

「それは?」

「兵役の免除です。冒険者ギルドに所属する者達は戦争の際、兵役は免れます。その代わり、冒険者の方の登録料は傭兵よりも高いんですよ」

「へぇ、そうなんだ。どうして、仕事は同じなのにどうして別れたの?」

「それはですね。何百年か前の事ですが、傭兵ギルドに所属していた傭兵で、主に遺跡探索と宝探しを仕事にしていた者がいたんです。その者が所属していたギルドがある国が他国と戦争なりまして、そのギルドに兵役を課せられたのですが。それを嫌ったその傭兵が自分と気が合う傭兵達と一緒に冒険者ギルドの前身にあたる組織を作りましてね。それから色々とありまして、今では冒険者ギルドとして認められているのです」

「成程。ようは、仕事は同じだけど、兵役に貸せられたくなかったら冒険者に、兵役になっても構わないなら傭兵にという感じなのか」

「そんな感じですね。実際、(トレジャー)探し(ハン)(ター)や斥候になる奴の多くはは、冒険者ギルドに所属します。逆に戦士や魔法使いといった戦闘職の奴らは傭兵ギルドに所属しますよ」

 ふむふむ。こういう話を聞くと、どうにも前世からかなりの年月が経っているんだなという事が分かるな。

「若のお仲間がどれくらい居るか知りませんが、まさか、一万はいないでしょう?」

「ははは、流石にそんなに連れて来れないよ」

「ですよね。まぁ、五千以下なら受け入れてくれると思いますよ。この都市も何だかんだ言って大きいですから」

「だと良いのだけど、じゃあ、ダイゴクさん」

「若。あっしの事はどうぞ、気軽に『ダイゴク』とお呼びください。若にさん付けされる程、偉くはないので」

「そう言われても、僕もそんなに偉い身分……かな?」

 母さんが『鬼人九大氏族』のの一つの出だから偉いのか?

「偉い身分と思いますがね。何せ、ラサツキ家の直系の血を引き、現当主の嫡孫なんですよ」

「うっ、そう言われると、偉いね」

「という訳で、あっしは冒険者ギルドに声を掛けてきますね。若はすいませんが、傭兵ギルドに声を掛けてもらいますか」

「ああ、いいですよ」

 丁度頼もうと思っていた。このダイゴクという人、切れ者のようだ。

 ダイゴクさんが宿から出ようとしたら、丁度今まで寝ていたと思われる他の人達が部屋から出て来た。

 最初は、ダイゴクと挨拶を交わして、それから皆で傭兵ギルドに行く事にした。

 宿の外に出ると、地面に人が大量に倒れていた。

 皆「ううっ……」とか「ば、ばけもの……」とか言っているので、生きてはいるようだ。

 一緒に出たダイゴクはその惨状を見ても何とも思わず「じゃあ、あっしは冒険者ギルドに行かせていただきます」と言って、僕に一礼してそのまま冒険者ギルドに向かった。

 この惨状を見ても顔色変えないで、そのまま歩いて行くとは、流石に戦場慣れしている人は違うな。

 と感心していても仕方がないので、僕達は傭兵ギルドに向かった。


 

 宿を出て少し歩くと、傭兵ギルドのの前まで来た。

 それで、建物の中に入ると、何故か蜂の巣を突いたような騒ぎになっていた。

「どういう事だ! 説明しろ‼」

「申し訳ありません。こちらも、何故こうなっているのか全く見当がつきません」

「そんな言い訳が通じるか‼」

「いいから、早く代わりの傭兵を用意しろ‼」

「こっちにもだ!」

「只今、手が空いている者が居りません。ですので、違約金は払いますので、今日の所はそれで」

「ふざけるな! お前じゃあ話にならん。ギルドマスターを出せ‼」

 何故か、受付で商人らしい格好をした人達が受付で受付の人達を怒鳴りつけている。

 いったい、どういう事だ?

 そう思っていると、丁度、目の前に昨日知り合った傭兵の人が見えた。

 確か、フィリクスという人と一緒に行動していた人だ。

 丁度良いから、こうなっている状況を聞かせてもらおうか。

「すいません。ちょっと良いですか?」

「あん? おお、お前は、昨日の」

「どうも。リウイと言います」

「おう、俺はセスタだ。よろしくな」

「よろしくお願いします。ところで、これはいったい、どういう事なんですか?」

「ああ、実はな仕事を請け負った傭兵達が、何でか待ち合わせの場所に来なくてそれで商人達が文句を言いに来たんだよ」

「傭兵が来てない?」

「ああ、昨日、お前がちょっとした揉め事を起こした『レッド・クロウ』とアライアンスをしている奴ら全員」

「ぶっ⁉」

 それって、もしかして、ダイゴクがけちょんけちょんにした人達では?

 状況的に合っているので、まず間違いないな。

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