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第101話 奥地に着くと

 途中でアリアンと合流したが、皆は事前に『奥地』または『清海』の近くで合流すると報告していたので、特に問題はなかった。

 そして、休憩を終えた僕達は『奥地』へと向かう。


 馬車に乗り駆けている間。僕は暇なので、手の平に乗せている霊亀に話しかける。

 一応ペットという事で拾ったのという体裁なので、僕と一緒の馬車に乗っている。

「それにしても、よくこの話を受けてくれたね」

『ふふ。まぁ、儂もそろそろ身体を動かそうと思っておったからな。麒麟の姫に外海でないかと誘ってきて都合が良かったのじゃよ』

「そうなんだ」

 亀の姿をしているか、てっきりあまり動かないのかと思っていたけど違うのか。

『ところで、お主。向こうの大陸に行っても宛てがあるのか?』

「ええ、知り合いが」

『そうか。知り合いか・・・・・・』

 霊亀は前足で顎を撫でた。

 あれ? 亀の関節可動域でそんな事が出来たかな?

 まぁ、魔獣だから良いか。

『それは、お主の前世の知り合いか?』

「ぶふっ⁉」

 思わず吹いた。

「な、ななな、何の事かな?」

『別に隠さんでも良いぞ。この事は、麒麟の姫君も知っているからの』

「えっ⁉ そうなの⁉」

『契約する事で、契約者は魔法を。その契約した魔獣は契約者の魂の記憶を覗く事が出来る。それで、あやつは、お主が前世の記憶を持った事を知ったそうじゃよ』

「何だ。知っているのなら言ってくれればいいのに」

『本来、転生した時点で記憶を持っている事自体が稀じゃからな。しかも、話を聞いた所では、お主の前世は異世界から来た渡来人だそうじゃな』

「とらいじん?」

『儂らは異世界から来た者達をそう呼んでおるのじゃよ。物の場合は、渡来物という』

「へぇ、魔獣達は異世界から来たものをそう呼んでいるんだ」

 それは初めて知ったな。

『儂も長く生きているが、お主の様に渡来人を見るのは初めてじゃ』

「へぇ、という事は、僕が転生するまでの間は、何処も異世界から人を召喚する事はしなかったんだ」

 ちょっと意外だな。そういう技術って残ったりしていると思ったのに。

『流石に儂もそこまでは知らぬ。儂が知らぬ間に召喚されたかもしれぬし、その召喚方法も長い年月を過ぎた事で失伝したのかもしれぬからのう』

「成程。じゃあ、向こうの大陸では今も召喚されているかもしれないのか」

『その可能性はあるの。まぁ、どう考えても、お主の友人は喚ばれる事はないじゃろう』

「それは仕方がないね。僕がこの世界に転生した時点でかなりの年月が経っていたんだから、どう考えても僕の知り合いが生きている訳がない」

 むしろ、ユエとマイちゃんと村松さんとエリザさんは良く生きていたな。

 どんな方法を使ったのか知らないけど。

『ほほ、それが分かっているのであれば良いのじゃよ』

 霊亀は顎を撫でた。

 そう話をしていると。突然、馬車が止まった。

 御者台にいる御者が声を掛けて来た。

『リウイ様。『奥地』の入り口に到達しました』

「ああ、分かった」

 僕は霊亀を肩に乗せて、ドアが開くのを待った。

 ドアが開いたので、僕は馬車の外に出た。

「んん~、さて、ここからは『善良公』の屋敷まで歩きか」

 長い事、馬車に揺られていたから、少し伸ばしただけ身体の面白い位に音がする。

 身体を伸ばしていると。

「ねぇねぇ、リウ。どうやってこの国を出るの?」

「此処から北に進めば、海岸に出るから、其処からこの霊亀が身体を大きくしてもらって、その背に乗るんだよ。・・・・・・って、えっ⁉」

 そう訊かれたので思わず答えたけど、僕は思わず振り返った。

「おっはよう~」

 そこに居たのはミリア姉ちゃんだった。





 





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