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第100話 久しぶりの再会

 都市『カオンジ』を出た僕達は北に向かう。

 北に向かえば『清海』がある。其処に霊亀が居る。

 事前にアリアンに交渉してもらって、その背に乗せてくれるように頼んである。

 交渉が上手くいかない場合は、戻って来るように指示した。

 今の所帰ってこない所を見ると、交渉は上手くいっていると思う。多分。

 そう思いながら、馬車に揺られていると。

 馬車が止まった。

『リウイ様。『清海』の近くまで参りました』

「ああ、分かった」

 前もって『清海』の近くについたら、休憩を取ると通達はしている。

 なので、兵士達も特に思う事なく休憩を取るだろう。

 正直、兵士の中に姉上のスパイが紛れているかもしれないからな。此処は用心を重ねないとな。


 僕達一行は、休憩を取る。

 各自、好きに休ませている中、僕とティナとシャリュは密かに皆の中から離れた。

 僕達三人で『清海』まで行ってアリアンと合流する予定だ。

 それで、離れたのだが。少し歩くと。

「・・・・・・タ~」

 何か、遠くから声が聞こえて来るな。

 二人も何処からか声が聞こえて来たの気になり、耳を傾ける。

「・・・・・・スタ~」

 おっ、声が近づいてくるのが分かる。

「・・・マスタ~」

「あっ、アリアンの声だ」

「ホントだ」

「声からすると、・・・ああ、居ましたっ」

 シャリュが声が聞こえて来た方を見ると、アリアンが手を振りながら僕達へと近づいてきた。

 僕達も近付く。

「やぁ、アリアン。首尾は如何だった?」

「はい。マスター。こちらに」

 アリアンは肩に乗せていた亀を手に乗せて、僕達に見せる。

「うん?」

「これって、亀?」

「そうね。何処からどう見ても亀ね。でも、魔力を感じるから、亀型の魔獣のようね」

 僕達はその亀の魔獣を見る。

 この顔、そして、甲羅の形何処かで見覚えがある様な気がする。

『ほっほほ、久しいのう。アリアンのマスターよ』

 この声は霊亀の声だ。

 という事は、もしかして。

「これが霊亀なのか?」

『その通りじゃ。驚いたようじゃのう』

 亀が笑っていた。

「驚いたな。あんなに大きかったのに、こんなに小さくなるなんて」

 まさに、小さくなっちゃっただな。

「これが、霊亀とかいう亀の魔獣なの?」

「このサイズの亀の魔獣にしたら、かなりの魔力量ですが」

 ティナとシャリュは霊亀の甲羅を突っつく。

 話には聞いているのだろうけど、これは信じてないだろうな。

『ほほ、まぁ、仕方がないのう、このサイズでは』

「はぁ、そうですか。ところで、何でそのサイズに?」

『うむ。流石に元の姿では、色々と面倒じゃからのう。其処で変身する事にしたのじゃが、人の場合だとどういう経緯で知り合ったとか、どうして一緒に行動するかとか不審に思われるかもしれんからのう。じゃから、何処かで拾った無害の亀型の魔獣という事で一緒に居たら問題なかろう』

 成程。其処まで、考えていなかったな。

 いやぁ、凄いな。

「ところで、こうして付いて来るという事は、僕達を背に乗せてくれるという事で良いのかな?」

『うむ。問題なしじゃ』

 よしっ。最大の懸念がこれで何とかなったぞ。

 後は『奥地』に行って、兵士達を帰せば問題なしだな。

「じゃあ、アリアン。霊亀の事は任せても良いかな?」

「お任せを」

 よし。じゃあ、戻るか。

 僕達は先程の休憩場所に戻る事にした。


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