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第66話 これは意外な所で繋がった

「おりゃあああ、せい、とりゃあっ」

 掛け声と共に男達がふっ飛ばされて行く。

 おお、強いな。あのサンザジュウエモロン。

 間合いの取り方。足運び。更に拳の威力。

 どれを取っても、文句ない。

 これは部下に欲しいな。

 そう思って見ていると、喧嘩は終わった。

「はっははは、こんなもんか。そんな腕前じゃあ、俺を倒すなんて、千年早いぜっ」

 両手を腰に当てて大笑いするサンザジュウエモロン。

 それを見て、観衆となっている人達は歓声をあげている。

 女性達も黄色い声をあげている。

 これはかなり人望があるようだな。

 ふむ。随分と使える人材と見た。

 ぜひ、部下に欲しいな。では、どう部下に勧誘するかと考えていると。

「やっと見つけましたぞっ」

「デネボラ様。こちらです。こちらに居ましたぞっ」

 何か人獅子族の人達がサンザジュウエモロンを指差して、何か大きな声をあげている。

 そして、サンザジュウエモロンを包囲しだした。

「やべっ、騒ぎ過ぎたっ」

「ようやく見つけましたぞっ」

「ささ、早く戻りましょうぞっ」

 人獅子族の人達はサンザジュウエモロンに声を掛けながら宥めようとしている。

「だから、俺は帰らねえって言っているだろうっ。そうデネ姉ちゃんに言ってくれよっ」

「そう言われましても、我らも族長の命で来ましたので」

「どうか、お帰り下さい。お頼みします」

「い・や・だっ‼」

 サンザジュウエモロンは子供の様に駄々をこねる。

「ええい、仕方がない。若様、お許しをっ」

 人獅子族の人達がサンザジュウエモロンを取り押さえようと動き出した。

「てめえらに捕まる程、俺は弱くねえぞっ」

 そう言ってサンザジュウエモロンは人獅子族の人達と殴り合いを始めた。

「お、おとなしくしてください。ぶごっ」

「我らも、けしてこのような事をしたいわけではないのですよ。其処をくみとって、ぶぐうっ‼」

「どうか、どうか、今回だけは大人しく捕まってくださいっ。何卒、お願いいたしますっ」

「うるせええええっ」

「ぷぐおおっ‼」

 自分を抑え込もうとしている人獅子族の人達を殴たり蹴ったりして寄せ付けないでいるサンザジュウエモロン。

 しかし、人数は人獅子族の方が多いのに、良く抑え込まれないな。

 そう感心していると。

「いい加減にしなさいっ。ウォルフっ⁉」

 そんな大声が聞こえてきたので、そちらの方に顔を向けると、其処にはデネボラと部下なのか人獅子族の人達が居た。

「げえっ、デネ姉ちゃん‼」

 ウォルフ? それが本当の名前か?

「貴方が村を出たと聞いて、どれだけ驚いたか分かっているの⁉」

「い、いやぁ、あんな村に居るよりも、俺はデカい事がしたかったから・・・」

「それなら、ちゃんと言いなさい。勝手に出て行ったら、皆、何かあったんじゃあないかと思うでしょう?」

「でも、叔父上には『お前は人獅子族の族長候補の中では一番の有力候補なのだから、村を出る事は許さん』って言うから、仕方が無く」

「それでも、勝手に出て行くのは駄目。ほら、早く村に帰るわよっ。姉さんも一緒に謝ってあげるから」

「い、いやだっ」

 そう言って、ウォルフと呼ばれた男性は人獅子族達を振り払って逃げ出した。

「あっ、こら、待ちなさい~~~~‼」

 デネボラが声を大にして追い駆けた。人獅子族の人達も、慌ててその後を追いかける。

 これは、また凄い所に出くわしたな。






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