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第89話 僕達も少し遅れて行く事にした。

 スピービーさん達が突撃(?)をしてしまい、護衛の数が半分になった僕達。

 どうしたものかなと思いつつ、何が起こっても対処できるようにした。

 そして、待つ事数十分。

 未だに誰も出て来る気配がない。

 これは、もしかしてヤバイと言える状況なのだろうか?

 このまま帰れば問題になるだろうし。かと言ってこの戦力で乗り込めば、返り討ちになりそうだ。

 どうしようかな。

「・・・・・・何よ、やけに騒がしいわね」

 スイレンさんが手で何かを操っている。

 よく見ると、細い糸だった。ああ、あれで盗聴しているのか。

 という事は、スイレンさんは今、巨人族の住処の音を聞いているようだ。

「スイレンさん。中の様子は?」

「それがね。音を拾った限りだと、何か宴をしているみたいに騒がしいのよね」

「はぁ?」

 意味が分からん。

 これは、直接見た方が良いかな。

 う~ん。どうしようかな。

「……よし、ここは直接見るとしよう」

 僕は護衛の人達と一緒に巨人族の住処に侵入した。


 いざ、入ってみると結構広いな。

 巨人族の住処だからか、広く作られているようだ。

 最低限の明かりしかないが、道は一本道なので迷う事なく進めた。

 奥へと進んでいくと、声が聞こえてきた。

 戦闘で生じる喊声でも金属音ではない。どちらかと言うと、馬鹿騒ぎしている声だな。

 いったい、何が起こっているんだ?

 やがて、その声が聞こえてくる方に進んでいくと、明かりが見えた。

 どうやら、そこから声が聞こえるようだ。

 僕達はその明かりが見える所に進んでいき、物陰からそっと顔を出した。

 そして、そこに居たのは。

「ガハハハハハッ」

 何か、大笑いしている巨人だった。

 他にも一つ目の巨人やら、角が生えている巨人とかも居た。

 大きな樽が幾つもあり、その樽の中に入っている液体を持っている岩を加工して作った盃のような物で掬い美味しそうに飲んでいる。

 口の端から零れても構わず飲んでいる。

 住処に突撃した人達は如何しているのかなと思いつつ、見ていると。

「くっそ~、だせ、ここから出しやがれっ」

 あっ、スピービーさんを見つけた。

 鉄格子の中に居る所を見ると、どうやら捕まって牢屋に入れられたのだろう。

 アンビアさんは牢に入ってないので、まだ捕まってないのだろう。

 それだけは良かった。

 もし、捕まっていて、人質にされたら面倒な事になっただろうしな。

 とりあえず、アンビアさんが何処に居るか探すか。

 巨人族の人達は、宴の真っ最中で僕達に気付いていないようだからな。

「ここには、スピービーさんしかいないようだから、僕達はこのままアンビアさん達、もしくは行方不明のビクインさん達を探そう」

「スピービーは、暫くあのままにさせておきましょうか」

 スイレンさんがそう言って、僕達は巨人族に見つからないように動く。

 この住処自体が広いので、歩くのは問題ない。

 しかし、どれだけ歩いても、巨人族の人は先程の宴会場のような所以外で見てないな。

 もしかして、部族の人達全員で宴をしているのか?

 まさかね。

 そうして歩いていると、明かりが見えてきた。

 今度は誰が居るんだと思い、また顔だけ出して覗いてみると。

「モヴ一杯」

「はぁ~い。今注ぎますね」

 巨人族の人が盃を持っている。

 そして、その盃にかなり大きい瓶を持っている女性が、その瓶の中に入っている液体を注いでいる。

 その瓶は家ぐらいはありそうなのに、女性は苦も無く持っている。

 凄いな。

 と、よく見ると、背に羽が生えているし蜂の尻尾を持っているぞ。

「う~ん。ここからじゃあ、顔が見えないから、何とも言えないけど、声からして、多分ビクインね」

「あれが、ビクインさんですか」

 僕はビクインさんの様子をうかがう。

 特に鎖に繋がれている訳ではないが、もしかして、人質をとられているのかな。

 そう思いつつ見ていたが、どうも好きで給仕している様に見えるのだが。

 はて? これはどんな状況だ?

「おお、お主。ここに居たかっ」

 そんな声が聞こえたので、振り向くと、其処にはアンビアさんが居た。

「アンビアさん。無事だったんですね」

「うむ。スピービーの奴が捕まったのを見たのでな、そこからこうして隠れながら、この住処を歩き回り、内部構造を把握する事にした」

 成程。それだったら、逃げるのも楽になるな。

 合流は出来たけど、さて、どうしようかな。







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