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第48話 会談が始まる。

 僕は母さん達がいるテントに戻った。

 其処には真面目な顔をした母さんが居た。

 その顔は先程まで酒を大量に飲んでいた人とは思えない程の真面目な顔だった。

「来たか」

 そう言うという事は、さっきの人は先にこっちに来てから僕達の所の来たようだ。

 アリアンはどうだろうかと思い見ると、こちらも準備完了していた。

「じゃあ、行こうか」

 僕達はテントを出て、十二氏族の族長達が居るテントに向かう。

 案内なしでも直ぐに着けた。

 だって、テントの入り口に護衛として幾人かの戦士達が立っていた。

 それぞれ種族が違うので、どうやら各種族の腕利きを護衛として連れてきたようだ。

 僕達はそのテントの前まで来た。

 テントの入口の前まで来ると、護衛の人達は道を開けてくれた。

 開けてくれた道を進み、僕達はテントの中に入った。

 テントの中に入ると、先に座っている十二人の獣人達。恐らく、この人達が十二氏族の族長達だと予想する。何故なら、中には先程まで話をしていたラタトスクさんも居た。

 向こうも僕を見ると、目で笑った。

 その十二人の族長達と対面に座れるように置かれた座布団が三つあった。

 恐らくだが、其処に座れという意味だろう。

 とりあえず、真ん中は僕で左右に母さん、アリアンという感じで座った。

「まずは、始めましてじゃな。この地の新しき領主殿」

 僕が座るなりそう話しかけるのは、羊の獣人の人だった。

 声からして、かなりの御年をとったお方のようだ。

 羊の獣人という事だから『ゴーゼフ』族の族長かな?

 そう思って居ると、向こうは名乗り始めた。

「名乗り忘れて失礼した。儂は十二氏族の一つ『ゴーゼフ』族族長エアレーというものじゃ」

 羊の獣人さんが自分の事をエアレーと名乗ると、他の族長達も名乗りだした。

 全員名乗り終わると、僕も自己紹介する。

「僕は魔王オルクスが一子。リウイです。左右の二人は護衛なので気にせず」

「なに、魔王の息子だと?」

 犬の顔をした獣人名前はマルコシアスだったかな。その人が僕の父さんの息子だと名乗ると驚いていた。ふむ。どうやら、流石に魔王の息子が来ると予想できなかったようだ。

「・・・・・・一度、魔王オルクスにあった事はあるが かの王とは似ていないが」

 鷲の顔した獣人アルタイルだったけ? その人が僕の顔をジッと見てそう評した。

 よく言われるよ。母さんからは髪の色ぐらいしか受け継いでいないから、余計にそう言われる。

「実は、父親の血を引いていないのではないのか?」

 そう言うのは、スグリーヴァという猿の顔をした獣人だ。

 リアル〇の惑星に出て来るゴリラみたいだった。

 揶揄っているつもりなのだろうけど、この場では禁句だった。

「っ⁉」

 背筋に寒気が走った。身体も震えだす。

 ちらりと左隣を見ると、母さんが今にも襲い掛かりそうな位に怒っていた。

 僕があまりに似ていないので、よく城に仕えている人達にも似たような事を陰で言われている。

 でも、そんな話が話される度に、その話をした人達は数日後に、忽然と姿を消すという摩訶不思議な事な事が起こるので、城では禁句となった。

 そんなに殺気を放たれたら、会談どころじゃなくなるのだけど。

 向こうの族長達も母さんの〝殺気〟にビビるか、いつでも戦闘できる様に身構えている。

 流石に不味いと思い、僕は母さんを宥める。

「母さん」

 小声で話すと、母さんは僕を見る。

 向こうも他意はないのだから許してあげてよよ目で話す。

 母さんもこのままでは、会談がご破算になると分かった様で軽く息を吐いて、戦闘状態を解いた。

 それを見て、族長達も安堵の息を吐きながら居住まいを正す。

「済まんの。この者は口が悪い故、後できつく言って置く」

「いえ、お気になさらずに」

 僕は手を振って、問題は無いとアピールする。

「それで、僕と会談をするのであれば、何をお求めで? 交易か? それとも従属?」

 例えで言ったのだが、ウサ耳を生やした女性が吠えた。

「今更、魔国になどに従属はしないっ」

 えっと、アルネブさんだったかな? その人がそう叫ぶと反応が分かれた。

 その発言に頷く者も居れば、首を横に振る者や、中には溜め息を吐く者も居る。

 どうやら、十二氏族も一枚岩ではないようだ。

「では、僕達と会談をする理由を聞きたい」

 それが分からないと、話のしようがない。

 誰がは話すだろうと見ていると、一番の年長だからかエアレーが口を開いた。

「これは去年分かった事ゆえ、そう思い訊いていただきたい」

「分かった」

 ふむ。どうやら、かなり重大な話のようだ。

 






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