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第2話 分かった事。

 僕が赤ん坊になってから数日。

 偶に来る両親、僕のお世話をする為に来るメイド、後よく顔を見に来る姉達の話を聞いて統合した結果。色々な事が分かった。

 僕の名前はリウイ。

 本当はもっと長い名前らしいが、それはもっと大きくなったら教えてくれると、肌の色は黒く、強膜も黒く虹彩の部分だけ赤く白髪頭で、額に小さい角を二本生やした男。多分父親と思われる人が言っていた。

 両親は月に一回ほど僕に所に顔を出すぐらいで、正直姉達の方が頻繁に顔を出してくる。

 後来るのは乳母の人とメイドぐらいだ。

 その父の話を聞いていると、僕はどうやら魔人族の国王の息子即ち魔王の王子という事だ。

 王位継承権は、ハッキリとは口に出していなかったが、かなり低いのような事をぼかして言っていた。

 正直、王位についてはあまり興味がないので、今の身分でも良いと思う。

 後、この前フェルと呼ばれた女性とイザドラと呼ばれた女性はどうやら、僕の腹違いの姉だそうだ。

 他に姉が後三人。兄が十五人程いるそうだ。その内の何人かは同じ母だそうだ。

 姉達は良く顔を見せに来るが、兄達は来る気配がない。

 というか、この身体になってから男の人がと言える人達は、父親を含めて数えれるくらいしか会っていない。

 なので、兄と言われても実感が湧かない。腹違いでも姉さん達の方がずっと家族と思える

 ガチャーン。

 そう思っていると、ドアの蝶番を壊そうかと思えるくらいに強く開ける音がした。

 ああ、今日も来たんだ。

 部屋に入って来た人は、揺り籠の中で寝ている僕を覗き込む。

 青い瞳の目つきはまるで睨んでいるようで、口をへの字に曲げているという愛嬌のない表情。

 腰まで伸ばした青髪。褐色の肌。顳顬から山羊のようにねじれた黒い角が生えている。

 魔人族では珍しく蝙蝠のような羽も生えている。

 着ている服越しでも分かる大きな胸が突き出しているので、女性だと直ぐに分かる。

 この女性は僕の五人居る姉の一人で四女のヘルミーネという人だ。

 あまり喋らないの所為か寡黙な性格だと思われる。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 ヘルミーネ姉さんは何も話し掛けず、ただ、僕を見ていた。

 その目は今にも獲物を捕食しそうな肉食獣みたいな目をしている。

 最初、会った時。そんな目つきだったので、泣いてしまった。

 そうして何度も会っている内に分かった。

 あっ、この人は生まれつき怖い顔だけど優しい人なんだと。

 だって、ほぼ毎日この部屋に来て、僕の顔を見るのだ。

 なので今も本人的には笑っているつもりなのだろうが、傍から見たらまるで睨みつけているように見えるだろう。

 そうして一頻り僕を見ていると、ヘルミーネ姉さんは人挿し指を伸ばし僕に近付けてきた。

 伸ばした指はそのまま近づき、僕の身体に触れる。

 触れた瞬間。指は驚いたかのように離れた。

 そして、また指を伸ばして離れるのを繰り返した。

 ヘルミーネ姉さんはこの部屋に来る度に、僕の身体に触れては離れるのを繰り返し行う。

 何でこんな事をするのだろうと不思議に思うが、本人が何か目的があってしているようだから、好きにさせれば良いと思う。

 僕を突っついていると、偶然僕の指に触れた。

 それを見た僕は昔みた映画を思い出した。せっかくなのでする事にした。

 ヘルミーネ姉さんが指を伸ばしたので、僕も指の先が当たる様に伸ばした。

 すると、映画みたいに互いの人差し指の先が当たった。

「~~~~~~~~~~」

 ヘルミーネ姉さんは嬉しいのか笑い出した。

 その笑顔はまるで、鬼が笑っているかのようだ。

 やがて、部屋の外から声が聞こえて来た。

「・・・・・・・・・・」

 ヘルミーネ姉さんは名残惜しそうな顔をして、部屋を出て行った。

 誰も居なくなったので、眠ろうとしたら。

 また、ドアが開きだした。誰か来たようだ。

「あっはは、リウ、顔を見に来たよ~」

 入って来たのは女性だ。

 紅髪を後ろで結んだ髪型で、パッチリとした緑色の瞳。

 先程のヘルミーネ姉さんの格好がキッチリ着込んでいたが、この女性は着ている服を着崩している上に改造して露出が激しい恰好だった。

 胸も大きい方なので、少し刺激が強い。

「リウ、お姉ちゃんが高い高いしてあげるね」

 そうこの女性は僕の姉だ。

 五女のミリアリア姉さんだ。

 無邪気で天真爛漫性格なので悪い人ではない。

 ヘルミーネ姉さんはほぼ毎日くるが、ミリアリア姉さんは必ず毎日来る。

 他の姉さん達も結構な割合できてくれるが、この二人は暇なのかよく来る。

 僕はそのままミリアリア姉さんに遊んでもらって眠りについた。

 

 

 















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