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第83話 各方面の状況を確認。

 タカトーラル城を落城した僕達は、暫く侵攻はせずタカトーラル城で休養していた。

 理由は二つある。

 一つは、この城を侵攻の拠点にする為に補修作業を行う為。

     補給線の維持などにこの城を使う為でもある。


 二つは、各方面の侵攻状況を調べる為だ。

     移動しながらでは情報を得るのも一苦労だからだ。

 

 以上の理由で、この城に駐屯している。

 この城の謁見の間で作戦会議が行われている。

 今日も各方面の状況を報告する伝令が謁見の間に来た。

「ふむ。獣人族方面から攻めた軍と鬼人族方面から攻めた軍は、今だ一戦もせずか」

「はっ、城などはあるのですが、兵士が一人も居なく、また城の近くにある村にも住民が一人も居ないとの事です」

 ふむ。じゃあ、妨害を受けているのは人間族領から来た軍だけか。

 これはもしかして、人間族領から行くと敵の首都が他の方面に比べると近いのかな。

 それとも、他の方面に回す兵がなかったのだろうか。

 でも、この城を守備していた兵は三千しかいないと聞いている。

 魔人族の総兵力は分からないが、少なくとも万単位の兵は動員できる筈だ。

 なのに、今の所確認されているのは三千。

 これは首都で敵の全兵力が待ち構えていると考えた方が良いのかな。

(でも、時間稼ぎをするなら、各方面にも兵を置いておくと思うけどな)

 う~ん。敵の戦略が分からなくなってきた。

「他の方面には兵が居ないとは敵は何を考えているのじゃ?」

「首都で待ち構えているのでは?」

「ならば、何故城の近くにある村には住民が居ない?」

「男爵が焦土作戦という作戦を敵がとったと言うので、その作戦の一環であろう」

「その考えで言えば、敵の首都には民衆が大量にいると思われるな」

「もしそうなれば、敵の首都に攻め込めば、その民衆が民兵となって籠城戦力の一部になると考えた方がいいですな」

「そうなれば、敵の首都には数万以上の兵が居る事になるぞ!」

「だが、その分食料の減りが激しい。もしそうなったら、兵糧攻めをすればいいだけだろう」

 各将軍達の議論で盛り上がる謁見の間。

 僕は敵の戦略が分からなくなったので、議論に加わらなかった。

 アウラ王女は何か考えているのか、終始顎に手を添えている。

 結局、王女は一言も話さず、会議は終わった。

 数日後。城の補修は終わり一部の兵を残して、首都に向けて進軍を開始した。

 



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