表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/756

第7話 でも、僕以外にもデュアルは居た

「「「「おおおおおおおおおおおおおおっ‼」」」」

 ライデルがそう叫ぶので、クラス皆は驚愕している。

「僕が・・・・・・デュアル・・・・・?」

 突然の事で何とも言えない。

 ここで立っていたら、他の人達に迷惑になると思い、台座から下りる。

 居た所に戻ると、マイちゃん達が僕の周りで喜んでいた。

「凄い、凄いよ! ノッ君、デュアルなんて、流石わたしの幼なじみだね! あたしも鼻が高いよ!」

「うむ、その通りだ。流石はノブだ。わたしも誇らしいぞ。・・・・・・・未来の妻として(ぼそ)」

「うんうん、猪田君は本当に凄いね!」

 三人が自分の事のように喜んでいる。

 それは嬉しいのだが、三人の喜んでいる姿を見て、男子達がもの凄い目で僕を見てくる‼

(そんなぁ、ただ、喜んでいるだけなのに⁉)

 そうしていたら、西園寺君が職業を得る為台座に向かう。

 水晶に手を置き、輝きだす。そして無機質の声が響く。

『西園寺颯真・・・・・・職業、皇帝』

 えっ⁉ 皇帝? そんな職業あるの?

「おお、これはまた凄い。この職業は歴史上二人しか確認されていない職業です。その二人は新しい王朝を築いた英傑です」

「「「「おおお、凄い‼」」」」

 クラスの皆は驚いているが、西園寺君本人は喜んでいるように見えない。

「ふん、〝皇帝〟か・・・・・・」

 僕をチラリと見て、台座から下りた。

 何で、僕を見たのだろう?

 そう思っていたら、体に突き刺さる視線が更に増えた気がする。

(気のせい、きのせいだよね。多分)

 僕はそう思い直す。

「よぅし、あたしもそろそろ、職業を貰いに行くかっ」

 マイちゃんが、台座に向かう。

「そうだな。そろそろ。わたしも貰いに行くとしよう」

「わたしも」

 ユエと椎名さんが後に続く。

 3人が台座に行くと、クラスの男子がざわざわと騒ぐ。

「おい、我が校三大女神達が行くようだぜ」

「ああ、真田さんの明るい笑顔を見ていると、なんだか親近感を感じるよなっ」

「読者モデルで週刊誌の表紙にもなるくらいだし、脱いだら凄いんだろうなっ」

「いやいや、張さんのクールな表情もたまらないだろう!」

「あの顔で罵られたら、最高なんだう‼」

「何を言っている‼ 椎名さんの微笑みに比べたら、月とすっぽんだろう!」

「あの微笑みを見る為なら、俺は何でもする! 例え、悪魔に魂を売ってでも!」

 男子達は自分達の好みを言いあうと、睨み合う。

 皆、自分達の好みの方ガ良いと思っているので、余計に達が悪い。

「・・・・・・でも、三人共、猪田にゾッコンだぜ」

「「「「まさに、その通りっ 口惜しやっっっ‼」」」」

 何か、男子達が血涙を流しながら、僕を睨んでいる。

 そうしていたら、三人が台座に近付く。

 最初は、マイちゃんから手を置いた。

 水晶は輝きだした。光が止むと、無機質な声が響く。

『真田舞華・・・・・・・・・・・・・・・・職業、騎士王、魔法帝』

 今、マイちゃんも職業を二つ呼ばれたよね? という事は・・・・・・・。

「素晴らしい! 騎士王とはかつて、この世界を支配した王『獅子王』が持っていた職業です。更に魔法帝の職業を得るとは、デュアルだけでも珍しいのに、その上このような類まれな職業を得るとは⁉」

 ライデルが声を大にして叫ぶ。

 そんな中でも、ユエは冷静だった。

「ほら、次はわたしだ。マイ、どけろ」

「はいはい、ユエはどんな職業を得るかな~」

「ふん、当然、お前に負けないくらい凄い職業に決まっている」

 ユエがそう言って、水晶に手を置く。

 水晶は輝きだし、止むと無機質な声が聞こえる。

「張月亮・・・・・・・・・・・職業、女帝、覇王」

 はい? 女帝に覇王? 覇王って職業なの⁉

「な、女帝に覇王だと、そんな職業聞いた事ないぞ⁉」

 ライデルも聞いた事がないようだ。

 困惑しているライデルを放って、ユエが台座から下りる。

「ほら、次は椎名だぞ」

「うん、わかっている」

 椎名さんが水晶に手を置く。

 先程までと同じく輝き、それが止むと声が響く。

「椎名雪奈・・・・・・・・職業、神巫かんなぎ、シノビ」

 うん? 神巫? それにシノビ? それって忍びの事か??

 椎名さんが忍びなんて似合わない職業だ。

「神巫・・・・・・? 忍びはまだ聞いた事があるが、何だ、この職業はわたしは聞いた事なんかないぞ‼ あり得ない、あり得ない‼」

 ライデルは自分の理解許容量を越えたのか、頭をガリガリとかきむしりながらブツブツと呟く。

 クラスの皆は、驚きのあまり口をパクパクと動かす。

「凄いな、僕以外にもデュアルの人が居たんだ」

 僕は思った事を口に出した。

 すると、三人は花も恥じらうような笑顔を浮かべて、僕を見る。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ