第79話 第一目標 タカトーラル城。
王都を出発した僕達人間族・亜人連合軍は王都を出発してから十五日後に人間族領の国境まで来た。ここから、魔人族領のに侵攻する。
国境を越えて、魔人族領に入ったが、敵の抵抗などはなくサクサクする事が進軍できた。
そして夜になろうとしていたので、大きく開けた平原を発見した。今日はそこで野営をする事になった。
「・・・・・・こうやる事が無いと、暇だな」
僕達は野営の準備を手伝うには、身分が高いので手伝う事が出来ず、ただその野営の設営を見ていた。
そのまま見ていると、兵士が僕の元まで来た。
「男爵閣下、アウラ王女様が御呼びです。至急、大本営の来られたしとの事です」
「分かりました。それじゃあ、行くとするか」
僕はミルチャさんを伴い、伝令に来た兵士の案内で大本営に向かう。
次々と建てられるテント。その中でも一番大きいテントがある。其処が大本営のようだ。
案内してくれた兵士が入るように促したので、僕達はテントの中に入った。
中に入ると、アウラ王女と王女の親衛隊とレオン騎士団長、カシュー戦士団長、エリザさんの他の軍団長が居た。まだ、亜人族軍の将は来ていないようだ。
「遅くなってすみません」
この中では、一番遅く来たようなので謝罪する。
「いや、構わん。まだ亜人族の将達は来ていないから、大丈夫だ」
アウラ王女が気にするなと手を挙げる。
僕は取りあえず、エリザさんの隣の席に座る。
「さて、まだ、話は亜人族の将軍達が来る前に大まかな話をしておく。斥候の話では付近に小さい城は幾つも有るそうだ」
「これからは攻城戦が主になるのですね」
「そうだ。そして、その小城を落とした後にあるのが付近で一番大きい城タカトーラル城がある」
「大きい城ですか。その城はどんな作りなのですか?」
「斥候の話では、長大な長塀に囲まれた城だそうだ」
「それだけでは、情報が足りませんな」
「うむ。細かい話は亜人族の将軍達が来てから話すが、小さい城を幾つか落とし、その中でも一番損害が少ない城を本陣を置き、そこを侵攻拠点にする」
「妥当ですな」
「どう攻めるかは、後で話そうぞ」
アウラ王女はその後は亜人族の将軍達が来るまで口を開かなかった。