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第75話 次の日

 宴が終った次の日。

 朝が来たので、僕は目をしばたたかせながら身体を起こした。

(もう、朝か)

 結局、昨日は一睡も出来なかった。

 目をつぶり眠ろうとすると、脳裏に椎名さんの顔が浮かびあがって眠る事が出来なかった。

 羊をどれだけ数えても、どんなに寝転がっても眠気がまったくこない。

 むしろ、目が冴えてしまい。眠る事も出来なかった。

(久しぶりに眠れぬ夜を過ごしたな。何年ぶりかな?)

 そう思いながら、部屋に付いている洗面所で顔を洗う。

 いつもの起床時間よりも早く起きたので、誰も手伝う人は居なかった。

 もっとも、貴族になったと言っても、自分の支度をそんなに人の手を借りてはいない。

 クレタさんには寝癖を直してもらったり、着る服の身嗜みのチェックをしてもらうだけだ。

基本自分が着る服は人の手を借りないで着ている。

 だが昨日、寝間着に着替えないで寝てしまったので、僕は仕方がなく人の手を借りる事にした。

 テーブルに置いてある呼び鈴を鳴らす。

 鳴らして直ぐに、ドアがノックされた。

「どうぞ」

 僕がそう言って入るように促すと、ドアを開けて入って来たのは何故かエリザさんだった。

「何故、エリザさんがここに?」

「ふん。そんな事も分からないの? まったく。だからあなたは子豚なのよ|(訳 おはようございます。その呼び鈴は鳴らすとわたしに聞こえる様になっていますから、鳴ったので来ました)」

 ここ最近の付き合いの所為か、エリザさんが言っている事の本当に意味が何となくだが分かってきた。

 今の言葉も、この呼び鈴はエリザさんを呼ぶようになっていると言っているようだ。

「着替えたいので、誰かメイドさんでも呼んでくれませんか?」

「ふん。着替えも一人で満足に出来ないなんて、まったく駄目駄目ね(訳 そんな皺だらけの服で外に出ては問題ですから、着替えましょうね。僭越ですが、わたくしが御着替えを手伝います)」

「いや、エリザさんに手伝ってもらうほどの事では」

「貴方はどんくさいのだから着替えにも時間が掛かるわ。だから、早くしないと駄目でしょう(訳 早く着替えませんと朝食を食べそこないます。だから、早く着替えましょう)」

「う~ん、じゃあ。お願いします」

「ふっ、最初からそう言いなさいよ。まったく駄目な子豚ね(訳 じゃあ、着替えを手伝わせてもらいますね)」

 僕はエリザさんが何時の間にか用意した服に着替えて部屋を出た。


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