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第74話 宴の後の夜。

 僕は宴に参加していた他の将校達と歓談をし、ライオル陛下の絡みを適当にあしらいながら宴が無礼講に移行するまで、宴の料理を堪能した。

 勿論、僕一押しのマンガス牛の骨付き肉焼きをこれでもかと食べていた。

 味付けは塩と胡椒だけではなく、肉汁を使ったグレイビーソース。後照り焼きソースだ。

 エリザさんが作ったソースでではなく、鬼人族の領地で作られた醤油モドキだ。

 味は同じなのだが、製造方法が瓢箪のようなモノの中にある黒い液体、それがこの醤油モドキだ。

 向こうでは『ジャシオ』と呼んでいるそうだ。

 そのジャシオに砂糖と鬼人族の領地で作られライスで出来た酒で割り、それを焼いた骨付き肉を焼いた際に出た肉汁と合わせて煮詰めた物だ。

 味醂がないので、イマイチ照りがないように思うがこれで良い事にする。

 ファンタジーものに良く出て来るマ〇ガ肉を故郷の味ともいえる照り焼きで味わう。

 久しぶりに食べる照り焼きでお腹一杯にした。

 満腹になった頃には、宴は無礼講にへと移行していた。

 僕はライオル陛下とエルカス将軍に見つからないようにひっそりと宴の会場を出た。

 そして、自分の寝室として用意された部屋に向かう。

 部屋に入るなり、僕は寝間着に着替えもせずベッドに沈む。

(あとは、編成を調べて、そして侵攻ルートをえらんで、しゅぞくにあった侵攻ルートをピックアップして、それから……)

 そこまで考えて、睡魔に勝てず僕は眠りに着いた。


 *****************


 ふと、何かの気配を感じて、僕は目を覚ました。

 しかし、目は開けなかった。

(誰が来たのだろう? 刺客かな?)

 本当は各種族の重鎮を狙いに来たのだろうが、入った部屋が僕の部屋だったというオチかな。

 そう思っているが、気配を感じる人? は何もせずただじっとしている。

(何がしたいのだろう)

 僕は薄く目を開けて、その気配を感じさせる人? を見る。

 目を開けみると、そこに居た人に言葉を失う。

(・・・・・・椎名さんか)

 何というか、久しぶりにあった気がする。

 椎名さんは何をするでもなく、ただ僕を見ている。

(どうしよう、反応に困る)

 起きるべきか、それとも向こうが居なくなるまで寝ているフリをするか。

 どっちにするべきか悩む。

 そう悩んでいると、椎名さんが手を伸ばして、僕の頬を突っついてきた。

 ツンツンっと突かれたが、僕は取りあえず寝たフリをする。

 椎名さんはその後も、頬を突っついたが起きる気配がないので、椎名さんは突っつくのを止めた。

 そして、僕の唇にキスをしてきた。

「ちゅ、・・・・・・今度は起きた時にしようね。猪田君」

 そう言って、椎名さんは音もなく消えた。

 僕は目を開けて、身体を起こした。

 そして、唇に手を当てた。

(・・・・・・柔らかかったな)

 そうとしか思えない体験だった。













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