《危機との遭遇》
話を文書に起こすのは難しいですね!下手ですが、それでもよければ読んでください!
「はい、例の個体です。・・成功しました。後日、・・へ向かいます・・・」
親父がスマホで誰かと話している。仕事の話だろうか。いつになく真面目な親父の姿を見てここ数年で一番親父に感心した。いつもとの差が激しいだけかもしれないが。
俺は親父がなんの仕事をしているか教えてもらった事がない。仕事の電話をしているところなんて初めてみた。なので仕事についての話を聞けたのは意外にもこれが初めてだ。
それにしても断片的に聞こえた、個体・成功などの言葉から察するに、親父は意外にも研究職なのかもしれない。何かと雑で適当なあの親父からは想像もできないが・・・
「はい。失礼します。」
「仕事の話?」
「え?ああ、そうだよ。」
少し驚いた表情を見せて、柔らかい言葉で返した親父を見て、俺はあることに気づいた。
「親父。スマホ替えた?」
「ああ、新しくしたんだ。」
「・・・そうか。」
今日の親父はスーツを着て、車も変わっていて、スマホまで替えている。お得意の大好きな賭け事で大儲けでもしたのだろうか。もしそうなら嬉しい限りなのだが。
そうして俺はやっと本題に入った。陽菜に聞いた俺への用事とやらについてだ。
「それで用事ってなんなんだ?」
車が走り出して少し経った後、今日の用事とやらについて聞いた。
「ああ、用事ね。あの件についてはもう大丈夫になった。すまんな。」
「もう大丈夫なのかよ、折角苦労して部活休んだってのに。」
「ああ、大丈夫だ。しかし部活を休むのにそんなに苦労したのか?」
「何言ってんだよ、綾音だぞ?親父ならわかるだろ?サボりじゃないって説得するのにどんだけ疲れたことか。」
今日はもう用事がないなら、家に向かってただ帰るだけだとすると、本当に今日の綾音とのバトルはなんだったのだろうか。
まあ、バトル勃発のきっかけについては完全に俺のせいな訳だが・・・
それを聞いた親父が笑いながら、
「綾音ちゃんも相変わらずだな。また今度うちに呼んであげなさい。」
この親父の放った一言は、他の人からすれば息子の友達を可愛がる、気さくで温厚な父親のような感じの言葉だったのかもしれないが、俺にはある疑問を浮かばせるものだった。
そしてこの言葉以外にもさっきから感じている違和感。行動の一つ一つが何か引っかかる。
今までの情報が頭の中で渦を巻いてようやく一つの考えがまとまった時、俺の身体に今までに感じたことのある。嫌な感覚が纏わり付いた。
他の話も修正・話の追加を少しづつ行なっているのでよろしければ読んでください!