《ツンデレ弓道者》
まとめるのも難しいですね。でも楽しい
たった今、如月晴は窮地に立たされている。何故こうなった、というのが素直な感想だ。俺はついさっきまで教室で友達とゲーム話に花を咲かしていたというのに。俺が何かしたというのか。
「晴・・・私が何を言いたいか・・わかる?」
目の前に立っているお方は大変ご立腹のようだ。表情だけでいうなら笑顔ではあるが、こちらを見ているその眼には、あきらかに俺に対する怒りが見えた。
彼女の名前は《清水 彩音》(しみず あやね)という。俺のクラスメイトで綜太とは双子の妹。同じく中学時代からの仲だ。
その恵まれたルックスと天性の運動神経、誰にでも優しく親切な性格により、性別学年を問わず人気の高い彼女なのだが、何故か俺と兄貴である綜太に厳しい。
「な、何ですかねぇ。」
「本当にわからないの?・・・晴?」
何だろう、本当にわからない。俺なんかやらかしたことあったかな。いや待て、俺がしたことじゃないのか。もしかしたら・・・
「あれか?三組のイケメンサッカー部に告白されたっていうやつか?付き合うことになったから、私すごいでしよ!・・・みたいな?」
「ち、違うわよ!」
「あ、綾音さんスッゲェな〜。マジ尊敬してます。」
「だから違うって!」
よほど効いたらしい。顔を赤らめ、さっきまでの表情が崩れた。否定はしているが、図星だったのだろうか?
「もう!私が言いたいのは、晴また部活の備品買うの忘れてたでしょってことよ!」
「ああ!それだ!」
「それだじゃないわよ!まったく。」
学校に入る直前に感じたあの何かを忘れている感覚はこれだったのか。記憶力には自信があったというのに。
「あぁ〜部活の備品以外にも自分用に弓具買うつもりだったのになぁ。」
今使っている弦が切れそうになっていたので、これを機に新品の品質がいい弦に替えようと思っていたのに忘れてしまっていた。
「はぁ。」
「買っといてあげたわよ。」
「え?」
綾音がボソッとつぶやいたのでそちらを見ると俺が欲しかった品質の良い弦が綾音の手にあった。
「し、仕方なくよ?晴が調子崩したら、団体メンバーの先輩方に迷惑だからね!ほらいるの?いらないの?」
「いります!いります!」
さっきより更に赤くなった顔で少しはにかんで綾音は俺に弦を渡してくれた。
「いや〜でもよく俺がこの弦欲しかったって分かったな?」
「み、みてればわかるのよ。」
「そんなもんなのか、まあ、綾音ありがとうな。」
「どういたしまして!」
何故か驚いた表情を見せた後、今日の最初に見たハリボテの笑顔とは違う、満点の笑顔を返してくれた。
「ちなみに三組の子の話は断ったからね!」
「それ俺にいう必要あります?」
まだ赤い顔をしたままそんなことを言って何処かに走って言った、何故そんなことを俺にとって言ってきたのか分からないが、朝のSHRまでの時間を有意義に使うために、急ぎ友達のところへと向かった。
ツンデレの妹が来ました!こんな妹本当にいるのかな。