【(124)以降の構成見直し中】冒険者になるのです冒険者になるのです私は冒険者になって自由に生きていくのです。
産まれた時の事は憶えていません。きっとそれは殆どの人が同じなのではと思っています。ですけど物心付いたのは相当に早かったらしくて、憶えている一番昔の想い出は、既に家の中の本棚を漁って見付けた本を一人で読み耽っていた想い出です。
母様に聞いても絵本の読み聞かせをしたのは初めの一月か二月ぐらいで、後は寝落ちするまで母様所蔵の紀行物を一人で読んでいたみたいですから、私の本好きはその頃に形作られたのかも知れません。
もしかしたら、そこに自由や冒険と言った響きを見付けてのめり込んだのかも知れませんが、冒険という言葉に特別な憧れを持つ様になったのは、いつの事からでしたでしょうか。
四歳の頃、家の中に有った本を読み尽くしてしまった私が、母様にねだって街の貸本屋へと連れて行って貰った先で見付けたのは、街の中を闊歩する戦う人達の姿でした。
父様も戦う人である事は知っています。兄様達に剣の稽古を付けているのですから。
ですけど街で出会った戦う人は、父様とは何処か違っていたのです。
「ん~、ディルバは騎士で、あそこの人達は冒険者だよ?」
「冒険者? 冒険する人なのですか?」
この時初めて私の住む街が冒険者の街なのだと知って、私の中で何かがカチリと噛み合ったのです。
後になって考えれば其処には記憶持ちの宿業が含まれていたのでしょうけれど、それが無くても結局の所私は同じ道を選んだのでしょう。それに、殆ど憶えていないとは言え、記憶持ちの記憶に助けられた事も多いのですから、そこに思う所は無いのです。
それからも色々と有って、結局私が冒険者として出発出来たのは、十二歳になった春の足音が聞こえてくる頃。
その日の光景を、きっと私は忘れる事は無いでしょう。
その日の朝、六番目の南門から街の外へと出ようとした私は、門兵のお兄さんから軽い調子で話し掛けられました。
「おや? 今日は何処まで行くつもりかな?」
「成り立ての冒険者が森で初めて行くのですから、花畑ですよ?」
「ははは、そうか。しかし一人で行くなら慎重にな。少しでも不調が有れば直ぐに帰って来る事だ」
「はい! 行って来ます!」
門兵のお兄さんの御蔭で、少し緊張が解れたのです。
この時の気持ちは、今も私の胸の中に。
ええ、冒険者になるのです。冒険者になるのです。私は冒険者になって自由に生きていくのです。
母様に聞いても絵本の読み聞かせをしたのは初めの一月か二月ぐらいで、後は寝落ちするまで母様所蔵の紀行物を一人で読んでいたみたいですから、私の本好きはその頃に形作られたのかも知れません。
もしかしたら、そこに自由や冒険と言った響きを見付けてのめり込んだのかも知れませんが、冒険という言葉に特別な憧れを持つ様になったのは、いつの事からでしたでしょうか。
四歳の頃、家の中に有った本を読み尽くしてしまった私が、母様にねだって街の貸本屋へと連れて行って貰った先で見付けたのは、街の中を闊歩する戦う人達の姿でした。
父様も戦う人である事は知っています。兄様達に剣の稽古を付けているのですから。
ですけど街で出会った戦う人は、父様とは何処か違っていたのです。
「ん~、ディルバは騎士で、あそこの人達は冒険者だよ?」
「冒険者? 冒険する人なのですか?」
この時初めて私の住む街が冒険者の街なのだと知って、私の中で何かがカチリと噛み合ったのです。
後になって考えれば其処には記憶持ちの宿業が含まれていたのでしょうけれど、それが無くても結局の所私は同じ道を選んだのでしょう。それに、殆ど憶えていないとは言え、記憶持ちの記憶に助けられた事も多いのですから、そこに思う所は無いのです。
それからも色々と有って、結局私が冒険者として出発出来たのは、十二歳になった春の足音が聞こえてくる頃。
その日の光景を、きっと私は忘れる事は無いでしょう。
その日の朝、六番目の南門から街の外へと出ようとした私は、門兵のお兄さんから軽い調子で話し掛けられました。
「おや? 今日は何処まで行くつもりかな?」
「成り立ての冒険者が森で初めて行くのですから、花畑ですよ?」
「ははは、そうか。しかし一人で行くなら慎重にな。少しでも不調が有れば直ぐに帰って来る事だ」
「はい! 行って来ます!」
門兵のお兄さんの御蔭で、少し緊張が解れたのです。
この時の気持ちは、今も私の胸の中に。
ええ、冒険者になるのです。冒険者になるのです。私は冒険者になって自由に生きていくのです。
(100)魔物と薬草の講義です。
2020/07/26 02:21
(改)
(101)諸々の準備が調ってきましたよ?
2020/08/03 00:02
(改)
(102)困ったものですねぇ?
2020/08/05 13:43
(改)
(103)ピリカの武勇伝と毛皮敷の相談
2020/08/07 11:01
(改)
(104)噂の広まりと、ディジーリアの特別講義
2020/08/09 21:00
(改)
(105)絨毯を買いに行きましょう♪
2020/08/13 14:23
(改)
(106)鍛錬は全力が基本です。
2020/08/16 15:01
(改)
(107)楽しい事が一番ですよ?
2020/08/22 21:55
(改)
(108)パッと行って、パパッとやって、ドーンなのですよ!
2020/08/24 10:08
(改)
(109)収穫祭に向けた一週間
2020/09/05 17:05
(改)
(110)城下町の一週間
2020/09/12 23:35
(改)
(111)学院の一週間
2020/09/21 21:13
(改)
(112)暴虐無尽の一週間
2020/10/04 18:45
(改)
(113)蜂蜜採取名人リアンカリカ
2020/10/10 16:34
(改)
(114)セルフ ブラック ディジーリア
2020/10/18 02:41
(改)
(115)ずっと見ていなくても大丈夫なのでしょうか?
2020/10/25 14:08
(改)
(116)祝☆書籍化♪ なのですよ♪♪
2020/11/02 01:35
(改)
(117)王都の収穫祭は派手ですねぇ♪
2020/12/01 00:01
(改)
(118)千客万来♪
2020/12/26 21:35
(改)
(119)収穫祭の掘り出し物と王城での催し
2021/01/31 15:31
(改)
(120)騒動が先かディジーリアが先か ~収穫祭の終わりに~
2021/03/28 18:22
(改)
(121)収穫祭の反省と報告とこれからの予定と。
2021/04/17 22:47
(改)
(122)収穫祭の後始末
2021/05/03 07:14
(改)
(123)特別高級品の行方は?
2021/05/07 00:00
(改)
(124)冒険者達の輪舞
2021/05/18 01:49
(改)
(125)裁きの日と旅立ちの日
2021/05/30 21:24
(改)
(126)魔術の力
2021/06/14 00:52
(改)
(127)魔術講義の依頼
2021/07/11 02:09
(改)
(128)剣の説得は王様の役目です。
2021/07/31 23:16
(129)樹上の楼閣……が造れそうですよ?
2021/09/05 16:30
(改)
(130)余り月の過ごし方。
2021/10/17 17:32
(改)
(131)波乱の始業式。
2021/10/30 17:06
(改)
(132)打ち明ける相手はちゃんと見ていますよ?
2021/11/08 01:10
(改)
(133)来ちゃった。~特別講義 一齣目~
2021/11/20 20:43
(改)
(134)ねぇ、今どんな気持ち? ~特別講義 二齣目~
2021/11/22 17:40
(135)刃筋は立てよとかその程度の話です ~特別講義 残り~
2021/12/05 15:47
(改)
(136)だらだらごろごろ
2021/12/11 00:10
(137)皆、遊んでます。
2021/12/30 13:09
(138)今年の受講科目はこれで決まりです。
2022/01/01 21:46
(139)嵐が過ぎた後に。
2022/02/04 00:06
(改)
(140)冬の学院はのんびりと。
2022/04/08 23:02
(141)機岩鉄 ~狂乱(仮)と暴虐~
2022/04/29 19:05
(142)噂
2022/05/04 00:05
(改)
(143)三つ巴の戦い
2022/05/08 19:28
(改)
(144)ミッション・コンプリート♪ なのですよ!
2022/05/15 10:13
(改)
(145)語り継がれる冒険者の物語
2022/05/15 12:07
(改)
閑話その一 振り回される人々
(146)約束強制遵守
2022/06/05 03:32