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一、神様は縁を結びに人間界に急ぐ。

...やめてくれ。


「...っ、...!!...」


...そんなに自分を責めるな馬鹿。

消えゆく自分の体を抱きしめて悲痛で歪み叫ぶお前の顔なんか、見たくない。


「馬鹿...。でも...もっと...」


...もっと一緒に居たかった。

最後の最後まで素直になれなかった。


そして何かがはじけた。



天結あまゆ。これが今回のお前の仕事だ」

「かしこまりました」


そうして受け取った紙を見る。

そこに写っていたのは人間。私は縁結びの神だった。


私は人間が嫌いだ。何もできず蛍のように儚く死んでいくくせに、愛という力を使い子孫を残していく。

馬鹿馬鹿しい。神は無限の命を持つのになんで人間はこうなのだ。

考えるだけで腹がたつ。もうやめよう。


「今回は、早めに終わらせてさっさと帰ろうか」


縁結びの神の仕事は二つある。

一つは人間の縁の紐を結ぶこと。もう一つは神として人間に会い、縁結びの協力をすること。


今日は二つ目の面倒な方だ。

紙をもう一度見直す。


「男子高校生。笹倉ささくら春季はるき。ふーん」


ぽわぽわとした間抜けな顔。こんなやつが好きになられたら私はとても困る。

二枚目の紙には女の子の顔があった。

夏希なつき昨夜さくや

しっかりしていそうだが、いたって平凡な子だな。お似合いなんじゃないか?


そんなことを思いつつ天界を飛び立つ。

勢いよく落ちていく体を重量から解き放つ。

そして笹倉春季の家に向かう。


...あそこか。

私はたんたんと並ぶ家の一つを目指す。

そしてその窓をすり抜ける。そこには一人の

少年が黙々と宿題と言われるものをしているようだ。こちらには気がつかない。なんたって窓をすり抜けたからな。


「おい、お前」


少年はびくりと体を動かす。

今の私は不法進入みたいなものだからな。


「なっ...!?誰ですかっあなたはっ!?」

「私?私は縁結びの神の天結だ。笹倉春季の縁を結びにきた」

「は...はぁ...?」

「なぁに、混乱することは無い。ちゃんと証拠はあるからな」


何百年もこの仕事をやっているんだ。混乱することぐらいわかっている。そんなやつにはこうしてきた。


「...わぁ...と、飛んでる...」


そう。科学的には考えられないことをすればいいのだ。


「どうだ、少年。これで分かったか」

「わ、分かったよ!」

「では、本題に入る。少年は夏希昨夜が好きなのか?」


彼の頬が赤く火照る。


「んー...好きというか、気になってる...憧れてるのかな...?」


曖昧なやつだ。まぁいいか。


「ふーん。その子のことはなんで憧れているんだ?」

「え、えと...何にも一生懸命なところかな」


私は恋話が大好きなのだと思う。気がつけば色々聞いてしまう。


...まぁ、そんなかんじで縁結びを始めることにしようか。

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