男は情熱で勝負だろ!?
映画も終わってカフェで一息。
「アピルンメンマかっこよかった~」
「ハニー、アピルンジャーのどこがcoolなんだ?」
俺にはさっぱり理解できないぜ!
「その『ハニー』ってのやめてよ! 今時そんな人いるのに驚いてるよ。アピルンジャーは秘密戦隊なのにアピールするのがカッコイイんだよ」
「秘密じゃないぜ」
「そこがいいの!」
初めてハニーについてけないと思ったぜ……。
でも愛の力で乗り越えるぜ!
「でも、なんでリカルドがアピルンジャー知ってたの?」
「外国語講師をしているschoolでもらったんだ。まさか優梨が夢中になってるなんて思わなかったぜ!」
流石特撮大国だぜ!
「学校で流行ってるよ。でも、誰もアピルンメンマの魅力を理解してくれないの…」
そんな悲しそうな顔をしないでくれ!
「そりゃみんなの見る目が無いだけさ! 俺もメンマが一番だと思うぜ!」
「本当?」
途端に嬉しそうな顔になる優梨……。
泣きたいのは俺の方だぜ……。
その後もハニーはひたすらメンマの魅力について語る。ハニーと話せるのは嬉しいけど、この内容は悲しすぎるぜ……。
「じゃあ、学校では、アピルンホルモンが一番人気なのか?」
「うん。冷静沈着でカッコイイんだって。でもメンマの方が寡黙で素敵だと思わない?」
「ああ、ハニーの言う通りだぜ」
なんで愛しのハニーの前で他の男を褒めてるんだ? マイハニー! 俺には全く魅力を感じてくれないのか?
本当に羨ましいぜ! アピルンメンマ!
「あ、そうだ、パパが今日の夕食にリカルドも誘ってって言ってたよ」
Mr.曽我部が?
「Wow! Momの料理が楽しみだ!」
「言っとくけど、ママは私のママでリカルドのママじゃないからね!」
「OK! 分かってるぜbaby!」
少し怒ったような顔も可愛いぜ!
「大体なんでリカルドが我が家に溶け込んでるのよ! あの時声を掛けたことをどれだけ後悔したらいいか分からないわ…」
「そりゃないぜハニー! Mr.曽我部には留学で来た時からの付き合いだぜ!」
俺の家族とも仲良しだ。
「…リカルドが留学……想像出来ない…」
「俺だって苦労して日本語覚えたんだぜ!」
なんてアピールしても、愛しいハニーは……。
「また無視かよ! そりゃないぜハニー!」
「リカルド、五月蠅い。男は寡黙なのが美徳なのよ?早く国に帰ったら?」
ひ、酷過ぎるぜ……。
今のは流石の俺のheartはズタズタさ……。
「それでもキミだけを愛してるぜBaby!」
推して推して推しまくるぜ!