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なんとなく気になる

 毎日質問をするようになって、数日が経った。流石に毎日質問をするようになると、先生のことも分かってくる。

 

 出身地は岩手であること。

 好きな音楽はメタルであること。

 好きなお酒はジンとウイスキーであること。

 学生時代は剣道をやっていたこと。

 ファッションに関しては無関心であること。

 

 見た目からは想像できない部分も多くあった。

 先生は私が思っていた何倍も面白い人だった。知れば知るほど、惹かれていった。


 放課後になり、私は今日も勉強とは無関係な質問をしに行く。最初一緒に行っていた友達はもう飽きたらしく、一人で出向くようになった。

 

「先生~」

「なんだ、今日も来たのか。懲りないな。」

「図太い女だから、そう簡単には懲りないよ!」

「そうなのか~」

「先生、今日の質問です!岩手ってここより寒いの?」

「そりゃ寒いに決まってんだろ、ここよりも北なんだから」


 今日もそんな他愛のない会話をして、私は教室に戻った。すると、一人のクラスの女子がこちらを見ていた。


「ねえ。」


 突然声を掛けられて、私は少し驚いた。


「毎日先生の所に行ってるよね?」

 

 彼女は少しだけ笑っていた。


「私、小林夏華って言うの。」


 小林夏華。見た目は少し気が強めに見えるが、声色が優しくて威圧的に聞こえなかった。

 彼女は少し間を空けて、続けた。


「先生のこと好きなの?」


 私は咄嗟に否定した。


「違うよ、なんとなく気になって質問してるだけだよ。」


 彼女は少し笑って、まるでキャラが変わったかのような明るい目になってこう言った。

 

 「ふーん、そっか。まぁいいや!変なこと聞いてごめんね。これから仲良くしようよ!」

 

 と言って去った。

 あの子は一体何を聞きたかったのだろう?

 けど、なにかあの子とも気が合いそう。

 私はあの夏華と仲良くなることを決めた。

 

 とある日の休み時間、席に座ってぼんやりしていると、向こうから声がした。

 

 「ねえ。」

 

 顔を上げると、この間話しかけてきた夏華が立っていた。


「先生、今日も変なこと言ってた?」

「変なことって?」

「なんか、あの先生変わってるじゃん。だから一番知ってそうな柚葉に聞いてみただけ~」

「ふふっ、なにそれ。」


 お互いに笑った。


「確かに変わってるよ、あの先生。」

「でしょ?」


 夏華は満足そうに頷いた。


「やっぱり気になってんじゃん。」

「だから、違うってば」


 そう言うと、夏華は少し楽しそうに笑った。


「まあいいや、今度一緒に行こうよ。先生の所に。」


 私は少し笑って、頷いた。

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