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空想人間

作者: 藤乃花

幼い頃から空想しては、その内容をストーリーにしてノートに書く……そんな時間が私にとって実に楽しく、至福とも云えました。


小さい頃は『お絵かき帳』という集めの帳面を定期的に購入しては、鉛筆でラフな絵を上半分に文章を下半分に分けて描いていました。


当時はたちいりはるこ先生というギャグ漫画家さんに憧れていまして、『パンクポンク』や『おじゃまくら』という笑えるタイプの漫画を描くのが好きでした。


好きな理由は、ギャグ漫画特有のウンコが出てくるからです(アホ)


授業中でも、現時点で描いている途中の漫画の続きを考えて、ばれないよう一人笑っていました。

(完全に変な子供)


まあ、聞いていたとしても、先生の話は私には別世界の言葉に変換されますから、解読不能でしたが……。


当時は漫画家を目指していましたから、絵の鍛練は毎日続けていました。


授業そっちのけでノートの隅に定期的に描いていた空想の生物を描きまくり、時間を潰していたわけです。


授業の最後に時折ノートを提出する事がありまして、落書き付きでは提出するわけにはいかないので「まだ書いてません」とごまかして、しょっちゅう提出を間逃れていました。


空想と漫画の執筆を繰り返していたある日、次の授業の時間が過ぎても教室に誰も戻ってこない事があったのです。


(もしかして今日は、授業は無いんかな?

話、全然聞いてへん……)


等と考え込んでいたら、担任の先生が教室に入ってきて、血相変えて叱責し出しました。


説教されながら、その時ようやく移動教室だと理解したのです。


空想が好きすぎてドップリ漬かりすぎた私は、以後なるべく用心するようにしました。


それでも空想が好きな私は止めることが出来ずにいたので、自分なりの解決策を考えました。


休み時間と授業時間の間に『空想の栞』を挟む、事です。


家でアニメを観た後では余韻に浸りながらも、次の動きに移れます。


つまりは『空想の栞』を挟んで、違う動きをするのです。


それを応用して、空想していた授業が終われば一旦漫画を閉じて、次に繋がる動きに入るわけです。


上手く出来れば自然に『空想の栞』を時間の間に挟み、別の行動がとれるようになれました。


働くようになった今では、自動的に『空想の栞』を自由に使い分け、当時のようなミスをする事はなくなりました。


完全無欠の主人公にはなれませんが、今の私は脇役よりの主人公を描く作家を目指して執筆しているところです。


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