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物事はいつも彼女から  作者: ペんぎn
第一章 二人は二人
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第8話 協力者にて

 部員たちが考えたことや、自分なりの考えたことを整理しつつ、暗号文に向き合っていた。時刻は23時を過ぎており、睡魔に襲われ始めた。疑問点が多すぎるので、ノートに多少まとめてみることにした。


問一、なぜ僕に暗号を送ってきたのか。

問二、なぜ部長は暗号を解けたのか。

問三、暗号の送り主は僕に面識があるのか。

問四、暗号の意味はなんなのか。


 まだまだ疑問はあるが、睡魔の勢力が大きくなり、限界だと感じ、ノートを鞄にいれて、ベットに寝転んだ。


 すぐに視界がぼんやりとして、そのまま意識を手放した。


次の日の朝、家を出た時に郵便箱に手紙が入っているのに気がついた。その手紙にはやはり、

ーーー春川歩(はるかわ あゆむ)さんへ。

と書かれていた。


[先日お送りした問いについて分かりましたでしょうか。あなたが問いに答えてくれることを願っています。]


「いたずらじゃなかったのか…」


 あの暗号は確実に僕に向けての問いだったようだ。更に手紙の裏にはこう書かれていた。


[文化祭までに問い自体が分からないようでしたら、文化祭事前準備最終日の17時半から18時まで学校の屋上でお待ちしております。]


「実際、分からないままな気がするけど…」


 正直、僕には差出人の意図が分からない。分からないといって、文化祭準備が終わってから屋上まで行くのも面倒である。


「なんか部長も教えてくれなさそうだし…」


と独り言を吐き出していると、ある一つの案が浮かんだ。


 学校に着くと、いつもなら自分より早く来ているはずの秋山さんがいなかった。内心珍しいなとは思いつつも、今日の授業範囲を確認していた。


 しばらくすると、走ってきたのか息をあげている秋山さんが予鈴1分前に彼女の席に座った。多分寝坊したのだろうか。席に座ってすぐに髪を触って髪の毛が跳ねていないかを確認していた。


 今日の授業も特になにもなく終わった。今日は部活がないので、早めに帰って暗号をもう一度考えようと決め、帰路についた。


 なぜだろう。朝確認した郵便箱には、また手紙が入っていた。とりあえずそれを回収して、家の中に入った。


 部屋に入り、靴があることを確認し、真っ先に寝室に向かった。寝室に続く扉を開けると、見知った顔が僕の帰りを待っていたようにこちらを向いている。


「なんか久しぶりだね。弟くん。」

「ああ、久しぶり。(しのぶ)姉さん。」


 この人は春川忍(はるかわ しのぶ)。僕のたった一人の僕を理解してくれる家族だ。


「まさか今日の今日で来るとは思ってなかったけどね。」

「火曜日は私講義入ってないから暇なのいつぞや伝えたと思うんだけど。」


確かそんなことを高校が始まったすぐに聞いた覚えがある。だが、今はそんなことを気にしている暇はなかったので、いきなり話題を切り出すことにした。


「忍姉さん。僕の協力者になってほしい。」

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