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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第三章 文化祭まで
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第74話 5人でのおでかけ 序

 雫さんが着替え終わり全員がリビングに集まったので、持っていくものを確認して部屋から出る。しっかりと施錠したのを確認して、待っていてくれた奏の手を取ってエレベーターに向かう。

 零さんは車に乗ってエントランスの前まで来てくれるそうで、僕と奏以外は先に車にまで行っている。



 奏と僕が零さんが運転する車に乗り込むに乗り込み、シートベルトをすると、車はゆっくりと動き出した。

 道中のカーブで奏が離れたり引っ付いたりしていたが、ショッピングモールに着くまでずっと手を握っていたことは本人も意識していなかったらしく、車から降りるときにようやく気づいていた。



 ショッピングモールに来たのはいいものの、各自やりたいことがあるようで、奏と僕の二人、零さんと雫さんの二人、姉さんだけの三つに分かれることになった。


「それじゃあ、奏も歩くんも、気をつけてね?」

「はい。」「分かりました。」

「はぐれたらここに集合よ?」

「分かってます。」


奏と僕がまず訪れたのは、ゲームセンターだった。奏がこういうところに来たことが少ないらしく、クレーンゲームのぬいぐるみに興味を引かれたようだ。


「うーん。」

「欲しいのか?」

「え!?あ、えっと、…はい。」

「ちょっとやってみる?」

「やりたいですけど、どうするのかよく分からなくて…」


完全初心者なのは分かっていたのだが、操作まで分からないとは思わず、お手本を見せることとなった。

 奏が欲しいと指差した手のひらサイズの白猫のぬいぐるみを取るついでにアームの強さや配置、操作の仕方や注意などをしながらやってみると、一回目で難なくぬいぐるみを取ることができた。

(姉さんが昔教えてくれたおかげかな。)


「す、すごいです…!」

「じゃ、これは僕からのプレゼントってことで受け取ってくれないか?」


取ったぬいぐるみを差し出すと、奏は手ですくいあげるように持ち、ぬいぐるみに目を引かれていた。


「ありがとうございます。私もやってみたいです。何か取って欲しいものありますか?」

「じゃあ、色違いのにしようかな?」


そう言って商品棚の奥に積まれている黒猫のぬいぐるみを指差す。


「分かりました。ちょっと待っててくださいね?」

「あ、ちょっと待って。」


奏がお金を入れようとするので、慌てて止める。


「あのままじゃ取れないよ。」

「そ、そうなんですか…?なら、どうするんですか?」

「ああ、それはね…」


周りに店員さんがいないか見回すと、男性店員がいて、その人に声をかけにいく。


「すみません。あの商品棚から黒猫のぬいぐるみを出して欲しいんですけど…」

「分かりました。少々お待ちください。」


店員さんは奏がお金を握っているのを確認して、ちょうど真ん中に黒猫のぬいぐるみを配置して、「おまたせいたしました。」と丁寧に対応してくれた。

 軽く会釈すると、店員さんは「彼女さんにサービスだよ。楽しんでね。」と奏には聞こえないように言う。

(すごく優しい店員さんだった…!)

 その後奏は三回ほどで黒猫のぬいぐるみを取ることができ、僕に「私からのプレゼントです♪」と言って黒猫のぬいぐるみをくれた。

 奏は気づかなかったようだが、ゲームセンターを出るときにさっきの店員さんが、僕たちが遊んでいた機械の下の箱を開けてなにやら調整をしていた。本来なら、誰かが商品を取ったところで調整するのだが、サービスということで見逃してもらえたようだ。ありがとう店員さん。



 ショッピングモールの中を歩いていると、零さんと雫さんに会った。二人はスマホやダブレットの展示を見ていたが、僕たちに気づいてお店の奥からやってくる。


「お揃いで可愛いわね。」

「うん。二人で一つという感じだね。」

「もう、お父さんもお母さんも、そういうのはいいですから…」

「照れてるくせに~。えいえい。」

「にっ…!」


雫さんは奏をつついてからかったのだが、その雫さんの攻撃が奏の腹筋を刺激してしまったらしく、奏がふらつくのを支えることとなる。


「奏!?大丈夫!?」


雫さんも奏に寄り添って声をかける。零さんは「言っておけばよかったな…」と反省しつつ、奏に寄り添う。

 奏を一度お店から支えながら通路の真ん中にあるソファーまで移動して奏を座らせる。ずっと奏の手を握っていたので、僕は奏の隣に必然的に座ると、奏がもたれてきて、少し楽そうな表情をしていた。

 零さんは奏が腹筋を痛めていることを雫さんに説明すると、雫さんは「そうだったのね…、ごめんね?」と奏に謝っていた。

 奏は少し笑って「だ、大丈夫です…」とあまり大丈夫とは思えない反応をしていた。



 姉さんに奏が少し体調が良くないと伝えると、姉さんは『行く』とだけ文面に残して、すぐに僕たちと合流した。


「奏ちゃん、大丈夫?」

「大丈夫ですよ。でも、みんな集まっちゃいましたね…。」


奏は、分かれて行動していたのに、全員を集めてしまったことを申し訳なく思っているようで、少ししゅんとしていた。

 奏が持ち直せるように何か言葉をかけてあげようとすると、零さんが一足早く、「まあまあ、もうすぐお昼だし、奏が良くなったら、どこかお店に入ろう。」と場を収めてくれた。



 奏の体調が少し良くなったので、奏の手をしっかり握って雫さんが選んだお店に行く。

 お店はかなり混んではいたが、幸いちょうど席が空いたらしく、待たずにテーブル席に案内された。すぐに若い女性店員がお冷やとおしぼりを持ってきて、机の上に並べていく。少々零さんを見て動きが遅くなっていたが、零さんは「どうも。」と作り笑顔で流していた。零さんは顔が整っているので、よくモテそうだなとは思っていたが、どうやら店員さんにもモテるらしい。

(さすが零さん、馴れていらっしゃる…!)



 雫さんと零さんで一つのメニュー表を、僕と奏と姉さんでもう一つのメニュー表を見るのだが、二人ともメニュー表を見るために体を寄せてきて、手を握っている奏はわざとらしく体を引っ付け、姉さんは気にしていないようだが、僕の腕が姉さんの深い谷間に吸い込まれている。

 姉さんはたまにこういうことをするので、周りからの視線を集めてしまう。今回も例外ではないようで、見えるところにあるテーブルに座った人たちはこちらを見ている。

 二人きりでこういうことをするのはいいかもしれないが、三人でかつ、真ん中が男は駄目な気がする。なんというか…そう、百合の間に…的なそういう派閥の人たちもいるらしいからだ。

 姉さんにとらわれた腕を少し動かすと、姉さんはまたスキンシップをしていたことに気づいたらしく、(ごめんね?)と僕ではなく、僕を挟んだ奏に視線を送り、少し離れてからじっとメニュー表を見る。

 零さんが姉さんが頑張ってメニュー表を見ているのを見て、メニューを決めた雫さんと零さんは使っていたメニュー表を姉さんに渡して、姉さんはそのメニュー表を見ることで、すぐに全員が料理を決めていた。

今日から冬休みになりました。最低でも2日に一話投稿するのを目標にして頑張ります!

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