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物事はいつも彼女から  作者: 七灯
第三章 文化祭まで
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第62話 優しさの理由

大体の理由を理解した零さんは、僕と奏を交互に見て、「奏と歩くんは付き合ってるのかい?」と聞くので、奏と声をあわせて「えっ!?」と驚いてしまった。そんな僕達を見て、零さんは、「ははっ。」と爽やかな笑いを飛ばす。


「どっちから告白したんだい?」

「…奏?」

「…歩さん?」


互いに互いに指を指してしまい、二人で笑いあうと、零さんは「仲が良いね。」と僕達を見守るように呟く。


「まあ、手を繋いでるあたり、奏が心を許していることは分かりきっていたことだけどね。」

「「えっ?」」

「さっきから奏がよく動くから、バレバレだよ?」


奏を見ると、顔が真っ赤になっていたので、両親に指摘されるのは恥ずかしかったらしい。


 零さんいわく、奏はちゃんと信頼している相手にしか、触れにいかないらしく、僕が手を繋いでいるのは、信頼の証らしい。

それを聞いて奏を再び見ると、奏はわざとらしく顔を背けるので、零さんに笑われていた。


「それで、二人はどこまで進んだの?」

「「…?」」


僕も奏も分からなかったので、首をかしげると、零さんは「関係だよ。例えば、一緒に寝るとか。」と教えてくれる。


「いつもですね。」

「そうだね。」

「ほう。なら、最近したことは?」

「おふ、…お料理ですね。」


言いかけた言葉を手を繋いでいない方の手で口を隠して、さらに目線を外して言い直すので、多分零さんは理解しているだろう。

話を変えようと零さんにどうして来たのか聞いたところ、「来週は三者懇談だからね。」と言われた。

自分の三者懇談の時間を見た記憶がないので、後で探すことに決めた。



 零さんと話していると、握っている奏の手がだんだん温かくなってきたのに気がついた。さっきから奏は全然話に入ってこなかったので、気づく要素があったといまさら思う。


「奏、もう寝るか?」

「ん~。」


奏は抱っこのサインを僕にする。零さんの前で抱っこするのはさすがにどうかと思い、いかにも眠そうな奏に声をかける。


「えっと、歩いていただけると非常に助かるというか…」

「ん~!」


どうやら、父親の前でも抱っこしてほしいらしい。零さんの方を見ると、零さんは微笑むばかりで、「いいですかね?」と声をかけても、微笑んでいて、何も答えてくれなかった。


 奏の背中と膝裏に手を回して奏を持ち上げると、奏はすぐにどんな状態になっているのか理解したらしく、顔を真っ赤にしてこちらを見つめてくる。

まあ、そんなのはお構い無しに寝室に奏を抱っこしたまま近づくと、奏はドアノブに手をかけず、「降ろしてください…」と言うので、降ろしてあげると、そのまま腕を引かれてさっきまでいた椅子に座らせられる。零さんは驚いるはずたが、やはり微笑むだけだった。


「歩さんは、デリカシー無さすぎです!お父さんの前で何してるんですか!」

「いや、だって、奏が…」

「そういうのは行動から判断してください!」

「え、でも、奏が、抱っこって言って…」

「…。」

「あと、モーション付きだった。」

「…歩さん。ちょっとあちらへ。」


そう言って奏が指を指したのはソファーの方で、多分、地雷を踏んだのだろう。そして、これから奏に襲われるのだろう。

ふと、ここで抵抗したらどうなるのかと思い、椅子に頑張って張り付くことにしたのだが、奏が「最後のお願い使います。私に襲われてください。」と言うので、少し動揺した瞬間、腕を掴まれて、そのままソファーに連行される。


 ソファーに着くと、僕は先に座らせられ、その上に奏が座る。そうして、首元に唇を当てられ、その後数分は奏のやりたいようにされていた。


「…はぁ、はぁ。やりすぎ、だって、奏…。」

「歩さんが挑戦的な態度を取るのが悪いんです。」

「ものすごく理不尽に感じる。」

「私、お風呂で言いましたよね?歩さんは私にとってまな板の鯉だって。」


このまま言い返していると、再び襲われるのが目に見えていたので、話題を逸らす。


「言われたけどさ。零さんに見られてるよ?」

「…?お父さんは寝てますよ?」

「え?」


零さんは、どう見ても微笑んでいるだけに見えるのだが、あれで寝ているのかと少々疑問ではある。


「というか、今、話題逸らそうとしましたか?」

「えっと、なんのことやら…。」

「しっかり調理してあげます。覚悟してくださいね?」


次に気がついたのは、次の日の朝で、ソファーに横たわり、ソファーと奏でサンドイッチにされていた。

僕が起きたときには奏はすでに起きていて、目覚めたばかりの僕を見ている。以前夏樹に挨拶は大事と言われたのを思い出して、奏に挨拶する。


「おはよう、奏。」

「お、おはようございます…。」

「どうしたの?そんなまじまじと見て。」

「えっと、その、痕がついてしまったなって…。」

「…。」


奏は僕から降りて、僕が起き上がるのを待っている。リビングにある時計は5時を指していて、昨日よりも30分早く起きた。昨日は気絶したので、何時間寝たのかは分からないが、体が重いなどの症状はない。


 僕が起き上がり、洗面所に行こうとすると、奏が僕の腕に絡み付いてくるので、一緒に移動することにした。


 洗面所の大きい鏡に移った僕の首元は、左右のどちらも不自然に赤くなっている。


「すごい痕…。」

「うぅ…ごめんなさい。」

「まあ、過ぎたことは変えられないからさ、戻って何か隠せるものを探そう。」


奏はその言葉に頷いて、密着したまま僕をリビングに連れていく。

毎日2000字はちょっとつらいけど、頑張って毎日投稿します。

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